ACの恋愛

親からの愛情をもらえずに大人になったAC
自分自身の恋愛にも大きな影響を与えます
なかなか大変なのですが それでも相手は見つかります
同類 です
ACどうし 機能不全家族に生まれ 育った人どうしは 少ない言葉のやり取りで共感できます
「ウチの親はアルコール中毒(依存)でさぁ・・・」
「私の母親は過保護で過干渉で・・・」
この言葉でお互いが共感できます
同じ不満 不全感を持って生きていることが理解できるのです
「自分もそうなんだよ」「私と同じ」
二人の距離はすぐに縮まります
自分にとって最重要のことを理解し共感してくれる人に出会えたのです
それぞれの個性や指向ではなく 生育歴で一致 共感できるのです
ここからACの恋愛が始まります
親からの「愛しているよ 大好きよ」の言葉をもらっていないので 愛することが分かりません 
愛される喜び 安心感を持ったことがありません
愛することを教えられずに育ったので 愛し方が分かりません
代わりに他の方法でそれを表現しようとします 
欲求です
愛情という感情は自覚できませんし表現できませんが 欲求なら自覚できます
ACにとって愛する とは 支配 束縛 同一化 そんな言葉と置き換わるようです
愛してる と言葉で言えないので その代わりの言葉を探します
好きだから〜したい 愛してるから〜して と欲求の言葉が並びます
自分の欲求を満たそうと 相手を振り回します
相手に尽くす 貢ぐ 世話を焼く 過剰に干渉する
相手と一つになろうと 相手との境界を乗り越えます 自他の境界がなくなるのです
愛しているからあなたは自分のもの という 親からもらった認知がそうさせます
私がいて あなたがいる 私はあなたが好き
健全な人の認知は 相手との境界があって 相手を認め尊重します
相手の存在 感情 意思を認め そのままを愛します
ACには このシンプルな感覚 感情が体験できていないのです
余分な感情 欲求が付いて来ます 
上手くいっているうちはいいのですが ちょっとしたことで行き違いが生じると 歯車が狂い始めます
相手が自分の欲求を満たしてくれないとなると怒る 泣いてすがり付く あるいは嫉妬する
最後は恨み 憎しみの感情だけが残ります
相手との関係を遮断して その恋愛は終わります
そして次の相手を捜すのです
破局の原因を相手のせいにしているので 自分の側に反省がありません
答えはすべて 自分の中に
この言葉をかみしめる必要がありそうです

無意識を意識する

無意識を意識する とても大切
カウンセラーから言われた台詞でした
でも当時は何だか禅問答のようで 意味が分かりませんでした
実はACは無意識の言動がとても多いのです
幼児期のトラウマ 親からの支配とコントロール 
ほとんど思考停止の状態でした
求めても与えてはもらえない親からの愛
それを求めて それを得るためだけに時間を費やして来ました
感情 思考 意思の表現を抑え込んで来ました
結果 自分の人生でありながらそれは親に奪われ
自分ではっきりと自我の意識を持つことができませんでした
ほとんど無意識のまま生きて来たのです
もらったのは親の思考と言動の癖
この癖を真似て生きるしかなかったのです
こんなもので自分を守るしか方法がなかったのです
この癖を捨てます
自己否定 自己犠牲 保身 虚栄心 
演技 過剰な自己愛 逃避  
被害妄想 他者への恨み 憎しみ 
破壊 遮断 孤立
無意識の言動を 丁寧にチェックすることが必要です
言葉遣い 表情 仕草 溜め息や舌打ちなど 親からもらった非言語のメッセージをやめます
すべてを言語メッセージに置き換えます
無意識を意識する
とても大変な作業です
今まで自分を守って来たものの正体を知ることです
この武器を捨てることを意味します これは恐怖です
でも武器は捨てなければいけません
武器を持ったままでは 他者との友好は築けません

理詰めで 最後まで突き詰める

親の支配とコントロールの下で育ったAC
自分の頭で最後まで理詰めで考えることが苦手です
自分のことなのに 何処か他人事のようなのです
自分自身のことなのに リアリティを持って自分の中に受け止められないのです
自分の人生は自分だけのもの 自分で決めて自分で生きるもの という感覚が持てないのです
自分の頭で考えようとしても 親が介入して その思考も感情も意思も 奪い取ってしまっていたのです
それが何度も続き やがて親の言うままになってしまったのです
ま いいかぁ と いつの間にか諦めてしまうのです
前回お話した思考停止に陥ってしまうのですが
それはそれで楽なことです 親が決めてくれて 自分はそのレールの上を走ればいいだけですから
何かあれば その責任は親が取ってくれます 自分は親に文句を言えばいいのです
この癖がついているので 人生において何事も途中で諦めてしまいます
ACはアイデアも発想も悪くはないので 時としてとてもユニークなものを出して来ます
ただ それを持続してやっていく 誤ったら修正する 周りの他者の意見やアドバイスを受け入れて変えていく
最後まで突き詰める これが足りないために失敗するのです
他者と関わるコミュニケーション能力とは別の 自分の内側の課題でしょう
ここでいう突き詰める とは 自分を追い詰めることでも 問い詰めることでもありません
自分と敵対してはいけません 自分の味方はいつでも自分です
もう一人の自分としっかり対話して 段階を踏んでいくのです
二度とない自分の人生です
諦めてしまうにはもったいないと思います
この嗜癖を捨てましょう
もう一度 自分の頭で 感じる 考える 決める をやり直しましょう
人生は自分の生きたいように生きられるのです