香る代に 二月

 和歌とともに人生を歩んできた二瓶カヨ子が残した八百三十八首のうち、三百六十七首を歌集に収めます。
 香代という雅号に因み、『香る代に』と題して。
   香る代に 二月
  橇ひきて村人のゆく一筋の雪道にさす陽の春めきぬ
  香る世に 二月
  荒れはてる園にも神の命もて紅く燃えいつ梅のさやけく
  香る世に 二月
  今日の日も新たに生らせ給へよと陽にいのりたり朝のしじまに
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