どんぐりの秘密 (食育Q&A)

文化の日の振替休日の今日、皆様いかがお過ごしでしょうか。
本日は先日の作品展の題材となった「どんぐり」についての食育Q&Aをお届け致します。
なぜ、どんぐりが食育?と思う方もいらっしゃると思いますが、人類が小麦を手に入れるまでの間、どんぐりは大変重要な主食でした。日本でも縄文時代はどんぐりが主食だったと言われています。人間だけでなく熊やリスをはじめ、ネズミ、シカ、ムササビ、カケス、オシドリなどもどんぐりを食べています。それでは、ここで問題です。
Q.どんぐりの名前の由来は?
A.どんぐりを漢字で表記すると「団栗」ですが、これは単なる当て字で語源には無関係です。その昔、この実をコマにして遊んだことから、コマの古い呼び名「つむぐり」が「づむぐり」→「どんぐり」に転じたという説があります。また、その他にも「だんごになる栗」がその由来であり、「だんごっ栗」が「どんぐり」になったという説もあります。
↓こちらは「どんぐりまんじゅう」です。どんぐりの実をすりつぶしたものが中のあんこになっています。

Q.どんぐりという名前の実がある?ない?
A.どんぐりという実はありません。なぜなら、どんぐりはブナ科ナ属のカシ、シイ、クヌギ、ナラ、シイなどの木の実の総称だからです。
↓いろいろな名前の実があり、全部まとめて「どんぐり」と言っています。

Q.すぐに食べられるどんぐりってありますか?
A.どんぐりにはタンニンという苦味と渋みの成分が入っているので、ゆでて、あく抜きをしなければなりません。
しかし、マテバジイ、スダジイ、ツブラジイなどは渋みが少ないので、煎ってそのまま食べることもできます。
どんぐりをつぶしてあんこにしたり、クッキーに混ぜたり、コーヒーにして飲むこともできます。
↓スダジイです。

↓ツブラジイです。黒っぽくて小粒などんぐりです。

↓マテバジイです。

秋に遊んだどんぐりは木の種なので、埋めておけば春には芽がでますが・・・・さて、ここで問題です。
Q.どんぐりのどこから根や芽がはえてくるでしょうか?
A.こたえは、どんぐりのどんがった先っぽからです。
はじめてこの光景を目にしたときは私も本当にビックリしました。

十分に根っこを下に伸ばした後、上に向かって芽が出てきます。芽も同じくどんぐりのとがった先っぽから出てきます。

12月までに栽培をはじめ、室内ではなく戸外で越冬させると、春には芽が出て、1か月ほどでこのように葉っぱが出てきます。

ペットボトルなどに穴をあけて、どんぐりのとがった先を下にして水を吸わせておくと、根っこや芽が出てくる様子が観察できます。

保育園でも、どんぐりの水栽培をして、成長していく姿をみんなで観察していきたいと思います。
それでは最後の問題です。
保育園では子供たちが拾ってきたどんぐりを製作前に必ず熱いお湯でぐつぐつとゆでます。
Q.拾ってきたどんぐりをゆでるのはなぜでしょうか?
A.答えは、まずどんぐりをきれいに洗うためです。洗う時に水に浮いてきたどんぐりは虫が食っていたり、中身が傷んでいるので製作用からは除外します。その昔、煮沸しないでどんぐりを製作に使っていたら、あとでどんぐりの中から虫が出てきたことが実際にありました。煮沸をしてさらに天日干しをすると食用としても日持ちがよく、新たに虫に食われることも少なくなるとのことです。

ご家庭でどんぐり遊びをする際も、ぜひ煮沸してから遊んでください。
熱湯で5分程度ぐつぐつ煮たあと、ざるなどをで湯切りをして水をかけてさまします。
あとはタオルで拭いて、さわっても熱くなくなったら遊んでも大丈夫です。
あまりゆで過ぎると、どんぐりの表面が白っぽく変色しはじめますので、
白っぽくなり始めたところで火を止めて下さい。

どこかなつかしく、温かみのあるどんぐり。
身近な自然に触れる機会や、製作の素材として
これからもたくさん活用していきたいと思います。

次回の食育Q&Aをお楽しみに・・・。

About 学校法人堀口学園 昭苑こども園

昭苑こども園はJR成田線酒々井駅東口より徒歩1分、学校法人が設置主体の幼保連携型認定こども園です。定員は173名(6ケ月以上の0歳児~5歳児)で、入園前の一時預り保育も実施中。0~2歳児の親子を対象とした地域子育て支援拠点事業しょうえんこどもこそだてルームや、小学校1年生~6年生までの学童保育(昭苑学童クラブ)も実施中。0歳~12歳までの乳幼児・児童のための教育・保育・子育て支援のための総合施設になっています。兄弟姉妹でご利用の方、一番下のお子様がまだ小さい方が同じ場所で一緒にお迎えができる場として喜ばれています。 〒285-0923 千葉県印旛郡酒々井町 東酒々井1-1-105 ℡ 043-496-3238