植物は、生まれた場所から動くことが出来ませんので、花粉や種子等を外に向けて
送ったり受け取ったりするためには、誰かの助けが必要です。そのために植物は
運び屋さんを上手く活用しています。
植物は、空気や水に頼むことがありますが、もっと頻繁に活用しているのは昆虫を含む
動物を使っています。特に、自分の防衛や繁殖のための大事な物を運んでもらうために、
動物に頼ることが多いです。
まずはじめに、虫が植物について葉を食べ始めた時、植物自身はどのように虫からの
防衛に対処しているのでしょうか。
植物が防衛に使っている化学兵器は何でしょう。 それは、植物が特別な物質を作りだして
葉を虫の食欲を落とさせる味に変えたり、草食動物に効く毒を創ったりして、防御して
います。 このような「抑止効果」のある物質は、攻撃を受けている葉やその近くの葉の
内部だけで作られます。 貴重なエネルギーを無駄使いしないように出来るだけ狭い範囲で
この様な変化が起こります。植物は問題を解決するために、最低限必要なエネルギー量を
計算しています。 虫は葉を一、二枚味見している間に、葉の味を変化させ、新しい味が虫の
口に合わず、この植物を食べるのを止めて、別の植物に移動する事を期待しています。
しかし、虫がひどい味を我慢して葉をしつこく食べ続けたり、大食の虫がやってきたりしたら、
もっと効果的な戦略が必要になってきます。「抑止効果」のある化学物質をすべての葉で作ったり、
近くの他の植物に警戒警報(空気中に揮発性化合物を放出して知らせる)を出したりします。
また、場合によっては、援軍を要請する事もあります。
続く。