果実の種の多くは越冬してからでないと花を咲かせて実を付ける事は出来ません。
また、レタスやシロイヌナズナの種は急な寒さを経験しないと発芽しません。
この様に、長い冬を経験させるか種を冷凍してからでないと発芽や開花が起こらない
植物があります。
1920年ソ連のルイセンコ(植物生理学者)が「冬コムギ」の種を冷凍して播種すると
発芽と開花が促されることをを発見し、この方法を「春化」と名づけました。
それでは「春化」の現象はどのようにして起こるのでしょうか。現在、これらの植物には
開花を抑制している遺伝子FLCがあり、一定期間寒さを経験しないとFLC遺伝子が
オフ(遺伝子の働きが止まる)にならないことが明らかにされています。
もう少し詳しく説明すると、寒さを経験する事では遺伝子のDNAの配列に変化が起こらず、
それ以外の働きで、遺伝子の活性状態だけが変わり、しかも、この変化を親から子に伝える働きが
出現したと考えられています。
この様な現象を「エピゲネテック効果」と言います。
このことから、自分たちで秋に収穫した種は、冷蔵庫や冷凍庫に保存して、春になってた植え付ける事
で確実に発芽や開花を促すことが出来ますの、この手順を踏むことが大切です。