綿のお話②

Posted on Posted in OSAGARIについて

今回は《綿のお話》の続きで、綿栽培の実情をもう少しお話しさせて下さい。
前回の《綿のお話①》で、Tシャツ1枚を作るために200Gのコットンが必要になるというお話をさせて頂きました。そして、その為に使われる農薬の量の膨大さについてのお話をさせて頂きました。
今回は、同じく200Gの綿花を栽培するために必要な《水》のお話をさせて下さい。
私と同じ世代の方はもちろん、恐らく30歳以上の年齢の方は、学校の地理の授業で《アラル海》のことを教わった記憶がありませんか??
世界第4位の大きさであった湖です。『です』ではなくて『であった』です。
『じゃあ現在は??』というと、実は『ほぼ消滅』してしまっています。
最近もニュースで『ほぼ消滅した』と話題になりましたね。ご存知の方も多いのではないですか?
左が世界第4位だったころ。右はほぼ消滅した様子
左が世界第4位だったころ。右はほぼ消滅した様子
それと《綿のお話》と何の関係があるんじゃ??ということですが、《大いに有り》なんですね。
200Gのコットンを作るためには、一説には《2000リットル》もの水が必要だと言われています。
書き間違えではありません。《2000リットル》です。たった1枚のTシャツを作るためにだけにです。
一般的な日本家庭の浴槽に、一回当たりに入れるお湯の量が《180~200リットル程度》です。
だとすると、その10倍の量がたった1枚のTシャツの為に使われるとなると、ちょっと俄かには信じられませんね。
で、前述の《アラル海》のお話に戻ると、そうなんですね。この湖は綿栽培の為に大規模な灌漑用水として活用されて以来、年々面積が小さくなり、最近ついに、『ほぼ消滅』してしまったんです。
もちろん異論もあります。しかし旧ソ連時代に大規模な灌漑施設を作ったタイミングからこの湖がみるみる内に小さくなったことは確かです。そして綿が大量の水を消費する作物ということも事実です。
今は地球上で、日本のようにまともな《飲み水》が潤沢に手に入る国は珍しいのです。研究機関のレポートによっては、いずれ《水》を奪うための戦争も起きると予想されています。
これは日本にいるとなかなか理解できない感覚ですね。しかし、一度でも海外で生活されたことがある方は(もちろん国や地域にもよりますが)、《水》を大切にする感覚を実感されたことがありませんか?
私は昔オーストラリに住んでいたことがあります。地方によっては砂漠も存在するくらいに乾いた場所もあります。また、アチラでは船に乗って1週間程度の船上生活をしたこともあります。
もちろん《水》は貴重品でした。《水》がなくなるということは、まさしく《死》を意味するものでした。
話を戻しましょう。《おNEWの服》を買う満足感・・・・分かります。テンション上がりますよね。でも、その時に少しだけでもこの話を思い起こして頂けませんか??
昨日のNEWSでユ○○ロの社長の方が日本人としては資産総額でTOPになったそうです。売れているんですね~。つまりそれだけ大量の《綿》が消費されているということなんですね。
別に不買運動をしましょうという呼びかけはしません。私も利用させて頂くことありますよ。
でも《おNEWの服》を買う➡飽きる・もしくはサイズアウトする➡捨てる➡また《おNEWの服》を買う
という消費モデルはもう限界に近いということを、少しでいいから意識する人たちが増えることで、それこそ少しづつですが世の中が変わると思うのです。
《THINK GLOBAL、ACT LOCAL》好きな言葉ですが、『地球規模のことを考えて、身近なことから始めよう』とでも訳せると思います。
蛇口を開けっ放しにしない。食べ物を粗末にしない。ごみを減らす努力をする。今まで10個とも新品を買っていたのなら、中古のものをこれからは5個と新品5個にしてみる。
なんでも良いです。身近なことから実践しましょう。

One thought on “綿のお話②

  1. バスケランナー=篠塚です。
    ブログを毎日、楽しみにしていますよ~。
    僕もよく、リサイクルショップで服を買いますがあらためて、物の大切さがわかりました。資源には限りがあることを一人一人が自覚しなくてはいけませんね!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です