15.植物の種子を運んでもらうための動物とのコミュニケーション

植物の種子を広い環境範囲にまき散らす事は、植物が繁殖するための重要な最終段階です。

それには二つの理由があります。一つは、出来る限り広い範囲に生息地を拡大していくことが、すべての

生き物の生命の根本原理です。もう一つは、親の木から出来るだけ遠くに種子を拡散させることによって

限られた土地の資源を分け合わなければならなくなることを避けるためです。狭い場所にたくさんの種子が

集まってしまうと短期間に土壌の養分が尽きてしまい、子孫のための養分が足りなくなりかねないからです。

 植物が種子を出来るだけ広く拡散させる戦略として、花粉と同様に、種子を風に運んでもらう植物がいます。

その例としてタンポポが有名です。また、動物を利用して種子をまき散らす植物もいます。鳥、魚、ネズミ、アリ、

さらにたくさんの哺乳類までたくさんいます。種子を動物に運んでもらうために植物が使っている道具は果実

です。果実は、受粉の時に動物を引き寄せるために使っていた蜜に当たります。リンゴ、サクランボ、アンズ等

甘くておいしい果実は、二つの目的のために用いられます。一つは、完全に成熟するまで種子を保護する事です。

もうひとつは、種子を配達してもらうための報酬です。

 果実は、種子を保護するためであり、たいていの場合、動物を引き寄せる役割を持っています。 動物が果実を

食べる時は、種子まで食べてしまうことが多いようです。 動物は、食べた種子を元の場所から遠くまで運び、そこで

体外に排泄する事になります。これは、種子を確実に拡散させる効果的の方法です。

 サクラを例に挙げて説明すると、桜の花はミツバチうを引きつけるために白い色を選んでいます。ミツバチは白い色が

良く見えるので、花にたどり着くのは容易です、しかし、赤色は見えません。 サクラの果実(サクランホ)が、種子が熟して

くると赤色に変化します。 この赤色をしてくるのは、別の動物を引き寄せるため、つまり、鳥を引きつけるためです。

赤色は、葉の間でも良く目立ち、遠くからも良く見えます。鳥はこの目立つ色に引かれて,種入りのサクランボに気づき、

それを食べます。そして、再び飛び立ち、別の場所で、排泄物として種子を体外に出します。

 この方法は、元の場所からはるか遠くまで運んでもらえるので、植物にとってはありがたく、動物にとってもサクランボを

食べる事が出来、満足です。 とても効果的で、賢い種子の移動法です。

 

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