植物は私達の話が聞こえているのでしょうか。音の正体は振動で、音波という形をとって空気中に移動し鼓膜がそれをキャッチします。
鼓膜は振動して、この物理的な動きを電気信号に変え、電気信号が聴覚神経を通って脳に情報が伝えられます。
脳はその情報を「音」として知覚します。人間の聴覚は、音の運び屋として空気を利用しています。
植物は音を伝えるために空気とは別の運び屋、土を利用しています。植物のすべての細胞には、機械受容チャンネルがあり、それで振動を捉える事が出来ます。植物は全身で音を聞きます。
最近、植物の聴覚能力を証明しようとたくさんの実験が行われていますが、例えば、音にさらされた植物の遺伝子発現が多様な変化を示すことが確認されています。
フイレンツェ大学国際植物ニューロバイオロジー研究所はブドウ農家の協力を得て、五年以上を費やして、音楽を聞かせながらブドウの木を育てる実験を行いました。すると、驚くべき結果が得られました。
音楽が流れる中で育ったブドウは、まったく音楽を流さずに育てられたブドウより成熟が早いうえに、味、色、ポリフェノールの含有量の点で優れたブドウを実らせました。
また、音楽には、害虫を混乱させ、木から遠ざける効果もあり、害虫駆除に音が使えるならば、殺虫剤の使用を大幅に減らすことが出来るでしょう。少なくとも植物の成長に影響を及ぼしているのは、音楽のジャンルではなく、音楽を構成している周波数です。
特に、低周波数(100~500ヘルツの音)が種子の発芽、植物の成長、根の伸長に良い影響を与えてくれます。逆に高周波数には成長を抑える効果があります。
トマトに音楽を聞かせて、ブドウと同じように味、色、ポリフェノール(リコピン)に変化が起こるか試してみたいですね。 また、害虫駆除に
音楽が使えるならば、楽しい野菜作りが出来ますね。