9. 植物同士のコミュニケーションの仕方

 植物は植物固有の言葉を使って、仲間同士のコミュニケーションをとることが出来ます。

その言葉は、空気中に放出される無数の化合物からなり、それらの化合物には

さまざまな情報が含まれています。

 また、植物は親族を見分ける事が出来ます。しかし、植物には家族はありません。

 実際には、植物も自分の親族(同種)をきちんと認識でき、まったくのよそ者の植物

よりも親族との間に親密な関係を築いています。

 自然界において、生物の生きる主な目的は、遺伝子を守る事、すなわち自分の遺伝子、

自分の家族、つまり両親や兄弟姉妹の遺伝子を守る事です。

 動物の世界では、親族かどうかの判断に、視覚、聴覚、臭覚が役立ちます。 植物の

世界では、根から放出される化学物質の信号を交換する事で、親族かどうかの判定を

行っています。同じような信号は、おそらく葉からも出ていると思われます。

 植物は、生まれた場所から移動できませんから、テリトリーにこだわる生物として進化

してきたため、動物よりもテリトリーを守る能力に優れています。自分のテリトリーに他の

植物が定住していれば、環境資源をその植物と分け合わなければなりません。しかし、

他の植物の存在を容易に受け入れるわけではありません。あらゆる侵入者から自分の生活圏を

防衛しています。植物は自分のテリトリーを守るために、エネルギーの多くを地中部分の根の

成長に傾けています。また、他の植物も隣接する植物に奪われた領土を取り戻そうとします。

しかし、植物同士はいつも戦うわけではありません。もし、隣にいる植物が親戚なら(同種)、

戦う必要はまったくなく、根の成長は最小限に抑えて、その分のエネルギーを地上部分の

成長に回しています。

続く。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です