綿のお話③

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今回は《綿のお話③》ということで、《綿のお話》シリーズの一応最終回です。
気が向いたら④が登場するかもしれません(笑)。
①で農薬、特に殺虫剤をモリモリに必要とする作物であることを、
そして②では大量の水を必要とする作物であることをお話してきました。
今回の③では《児童労働》をテーマにさせて頂きます。
《児童労働》という言葉はご存知かと思いますが、一般的な定義としては・・・・
『義務教育を終えていない子供が労働についている状態のこと』を指します。
国際労働機関《ILO》によると、2008年の時点では5歳から17歳までの児童労働者数は2億1500万人であったそうです。
凄い数ですね。日本の総人口より多いですよ❢というかほぼ倍です❢❢
《ILO》の定義する所の『最悪の状態の児童労働』というのは4つあります。
①強制労働・農奴・徴兵・人身売買
②児童買春
③麻薬売買への関与
④心身の健全な成長を妨げる危険で有害な労働(炭鉱・水中・高所作業など)
では、『児童労働の多い国はどこか?』ということになるとどうかというと、
インド・パキスタン・タイ・フィリピン・カンボジア・中国・ウズベキスタンなどは摘発が多い国として知られています。
ちょっと視点を変えます。
綿の産地として有名な国をちょっと羅列しますね。
インド・中国・アメリカ・パキスタン・ブラジル・ウズベキスタン・・・・
いかがでしょう?? かなりの国がかぶっていることに気が付いて頂けると思います。
つまり、『綿産地では児童労働が行われているケースが多い』ということです。

なぜなのか?
基本的に綿というのは手間とヒマが必要な作物です。なのでそもそも人件費の安い国で栽培されることが多いのです。このこと自体が児童労働を助長しています。
害虫は沢山つきます。だから殺虫剤をモリモリに使います。当然そんな殺虫剤だらけの職場環境は人体に良いわけが有りません。こども達は毎日殺虫剤まみれにならざるを得ません。
水を沢山使うので、どこかから運んでくる必要があります。だから人手として子供を使うことを助長してしまいます。
これは《ILO》が定義するところの『最悪の状態の児童労働』以外の何物でもありません。
一方消費する立場の人間は、そんなことは知らないで購入していることが殆どです。
さらに厄介なことに、最近は《オーガニックコットン》が環境に敏感な方には人気が出ています。
《オーガニックコットン》=主に《低農薬》を指すことが多いですね。
使う農薬の量を減らすとは言っても、害虫はそんなことはお構いなしなので、当然作物につきます。
農薬を使わずに、それらの害虫を駆除しているのが《オーガニックコットン》です。
どうやって?
そう、子供の労働によってです。
もちろん全ての《オーガニックコットン》がそうだとは言いません。
《パタゴニア》などの環境に対して非常に敏感企業はそのことを理解していますので、単に《オーガニックコットン》であるだけではなく、どのように作られた《オーガニックコットン》であるかまで気を使っています。
しかし、残念ながら《パタゴニア》のような企業はまだ少数だと思いますし、消費者としてもそこまで理解されている方も少数派だと思います。
想像してみてください。
『自分の子供のことを考えて、着るものは綿100%、しかもこだわって《オーガニックコットン》にしたい。』
こう考える方は少なくないと思います。
そのコットンを作るために、学校にも行かせてもらえずに、毎日殺虫剤まみれになって労働させられている、そして遠くの川や湖から重たい水を延々を運ばされる、そんなこども達が無数に存在しています。
その子たちの犠牲の上に、自分の子供が着ている子供服が出来上がっているかもしれないということです。
『じゃあどうしろというのか?』と言われると、正直私にも正しい答えはありません。
ただ少なくともいえるのは、このような事実を知っていれば、
これからの消費行動について基準点が、何等かの考えを伴ってくるのではないでしょうか?
ちなみに私の店では、毎週月曜日の売り上げの1%をUNICEFに寄付することにしました。
今は売り上げ自体がそんなに大した金額ではありませんので、寄付の金額も大したことにはなりません。
しかし、UNICEFは《児童労働》への解決の為にさまざまな活動をしていますし、貧困地域の子供達を学校に行かせるためにもさまざまな活動をしています。
少しでも多くの金額をUNICEFに送って、何かしらの解決に役立ててもらえればと考えています。
ではでは、今日はこの辺で・・・

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