依頼先の候補にハウスメーカーを挙げる場合、
やはり、候補となるであろう会社の特徴や情報を集め、
吟味し、絞り込んでいく、という流れになります。
トータルで検討してみて、 自分達の住まいの実現に
最適な、期待できる、候補先を絞り込みましょう。
そして、次のステップである、 プラン作成相談や、
見積り依頼をしていくことになるのです。
ここでは、大手ハウスメーカーの場合で話を進めます。
(1) HPや雑誌、カタログ請求で各社の特徴を知る、掴む。
工法や耐震性など技術に関する会社の特徴や姿勢を知る。
自分達で描いてる住まいと照らし合わせ、 間取り面や
ハード面(技術面)などで、希望に叶うかどうか。
鉄骨系(軽量鉄骨) ・・・積水ハウス、大和ハウス等多数
鉄骨系(重量鉄骨) ・・・へーベルハウス、
積水・パナホームなどで一部の商品群
木造系(木軸系) ・・・積水ハウス(シャーウッド)、 住友林業などの
注文住宅
木造系(2×4系) ・・・三井ホーム、 エスバイエル など
鉄骨ユニット系 ・・・積水ハイム
などなど、私の独断でグルーピングしました。
他にも工法はあるし、 同じ会社で注文住宅をやっていたり、
企画型住宅を商品展開してたり、様々です。
大手ハウスメーカーの各社の違い、又は商品群の違いは、
大きくは工法が異なるという事です。
工法の違いが、 プランの自由度や特徴的なシルエットと
なって現れます。 耐震性能や断熱性能など、ハード面は
各社共、しのぎを削っており、どれがイチバン、等は言い
切れなくなっています。 自分達の敷地形状や、 希望の
プランや外観シルエットなどと、 その会社の工法が得意と
する事が一致すると、 様々な面で性能が充分に発揮される
といっていいでしょう。
各社がアピールする部分や得意分野は何か、などは、
カタログやHPでもわかるような・・・わからんような・・・
ソフト面=プランやインテリアなど快適性などなど、
ハード面=耐震性や断熱性、省エネやエコなどなど、
デザイン面=外観デザインや外装材、 各種仕様など
どれを前面に推してるか、などで、自分達の住まいへの
優先順位と照らし合わせると良いでしょう。
どこも一緒、とお思いの方。。。あなたの敷地が、 郊外の
区画整理された広い矩形(四角形)の敷地なら、 確かに
どこのメーカーで建てても、大差ないでしょう。
敷地形状や建物シルエットが限定される場合や、
敷地までの資材の運搬方式が限られる場合、
前面道路が広いかどうか、 等々、 敷地条件や周辺環境は、
建設していくうえで、特に大手ハウスメーカーの場合は、
重要になってきます。 自分達の敷地は候補のハウス
メーカーで建設可能か、 制限などあるのか、聞くとよいでしょう。
(大抵は、敷地調査させてください、と言われますが・・・)
その他、 3階建て、2世帯(分離型)、店舗併用など、
戸建ての種類により、構造が絡む場合が多々有ります。
自分達の住まいに特徴的な希望がある場合は、それら
希望を伝え、実例集などの資料を手に入れましょう。
標準仕様など、仕様に関する資料も比較するためには
手に入れたい資料ではあります。 (→前述コラム)
(2) 展示場見学にいく。
候補の展示場で、希望する事柄(技術的、空間的になど)が
どのように実現されているか、 自分達の住まいで
実現可能か等を確認することが、展示場を見に行く目的と
なります。
展示場では、その会社の特徴や工法として出来る事を
如実に表してる、アピールしてるので、空間的に大きすぎる
からと敬遠せずに、自分達の住まいに必要かなど、と
照らし合わせるとよいでしょう。
出来るだけ、チェックリストなど作成・持参し、項目を
列挙し、自分達にとっての優先順位と比べてみるとよいです。
自分達にとってはぜひ欲しい、必要だ、という事が少ない
会社は、当たり前だが候補外。 メーカーは様々な項目に
対し、開発費用をかけているので、費用対効果が期待できない
といえます。 見た目のデザインテイストや好みだけで惑わ
されずに冷静に判断すること。
ただ、好みのテイストも含め、その会社の特徴だったりする
ので、 『A社のインテリア空間が良かった。 同じテイストを
B社で実現が可能かどうか』 など確認したり(カラーバリエー
ションなら何とかなる) 営業マンに聞いてみるのもいいかも。
異なるバリエーションを他の展示場で見せているケースも
あるので、 会社を気に入ったら、他の場所にある同じ商品の
展示場を教えてもらい、見てみるのもいいかも。
数社の展示場に行けば、わかることですが、 空間的に
違いがあります。 カタログなどの資料からだけでは、わかり
にくかった空間的なこと、 『空間を把握=空間を体感』
してみてください。 広いようだけど、 あまり広く感じない、とか
その逆で、思った以上に広く感じる、とか、 使い勝手が
思ったほどいいようには思えないなあ、とか・・・
男性で背が高い人などは、 天井高の違いや建具の高さ
など、敏感に感じ取る場合が多いです。
空間性の違いは工法が違えば異なってくるのですが、
もう一つは、ハウスメーカーや商品群によって採用している
モジュールが違うからです。 (詳しくは別コラムで)
同じモジュールを採用してても、会社によって、広く感じたり
その逆だったりするのは、設計的な力量の差といっても
良いでしょう。
まずは行ってみるのも悪くないのです。 候補をカタログや
HPで絞り込んでから、ではなく、 まず展示場に行って、
カタログ等まとめてもらうことも、もちろん可能です。
記名やアンケートに答えなければ、たいていのところは
入れてもらえません。 が、建築予定無しで将来の為に勉強中、
とか、 反対に正直に書いて、親切しつこい営業マンから、いろんな
情報を仕入れるのも手。後日も営業マンが尋ねてくる場合が
多いが、いろんな話しだけ聞いて、のらりくらりと付き合って、
不要になればハッキリ断ればいいのです。
展示場に入りにくいあなたには、春や秋、新春やGW等の
イベントがオススメ。見学会などが近隣であるのをチェックして
散歩がてら出掛けてみましょう。現実的なモデルが見れるはず。
カタログやHPだけで候補を決めてしまうのではなく、必ず展示場を
見て、 営業マンと話しをして、 数社比べる事。
先の設計事務所のコラムでも述べたけれど、 営業マンや担当
設計者との相性も、やはり重要。 いい人、というだけで、依頼
することは出来ないけれど、自分達の住まいを一緒に作っていって
くれる信頼できる人かどうか、 見極めなければなりません。
何度か打合せや電話での応対をしてると、 なんだか適当ね〜、
とか、反対に、キチッキチッとしてるけど、融通が利かないカンジ、
など、自分達と相性が合うかどうか、 わかってくるハズ。
住宅の性能も大事だけど、 人間関係も とても大事なことなのです。
担当者と上手くいった場合の満足度と、そうでない時の満足度は
天と地ほどの差があります。 上手くいかない場合は往々にして
クレームになりやすく、そのクレームも大きなものとなり、収集が
つかないぐらい。
お金で解決、なんて、いやいや金の問題じゃない、誠意だ、なんて・・・
気に入らないから取り替えろ〜といったところで、車や家電
じゃないので、 無理です。 問題が生じたら、双方ともに解決に
尽力する気持ちで。
相手方に責任や原因を押し付けたところで、解決することは少ない
ようです。 ずっと住み続ける家なので、 気持ち良く建てたい。
なので、 相性がイマイチだな〜と感じたら、 担当者を変えてもらうか、
(会社によって社員のカラーというのは有る・・・) ハッキリ伝え、
わだかまりを早期に解決してから望んだほうが良いでしょう。
営業マンの方が、あなたを苦手としてたりするかも・・・なので、
逃げ腰の営業マンは変えてもらうに限ります。。。
最初のカンは意外と当たるのダ。。。
候補を決めてしまうような書き方をしましたが、 絞りこんだら、
プランの相談や、見積りなどの依頼をしてみて、 候補を決めて
行きましょう。 (詳しくは別コラムで)