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北アルプス縦走の備忘録 其の2:大キレット

Posted on Posted in 1雫: 429店長の日常, 4雫-00:《429のイベント☆企画》, 4雫-4:  ノアソビジマン

2018秋縦走2018 9/12~15:燕岳(2,763)〜大天井岳(2,922)〜赤岩岳(2,768)〜西岳(2,758)〜槍ヶ岳(3,180)〜大喰岳(3,101)〜中岳(3,084)〜南岳(3,032)〜北穂高岳(3,106)

 

◇9/14(FRI)

『槍ヶ岳〜大キレット〜北穂高岳』

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☆大キレット:体力度レベル9 / 難易度 E。

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今年の春、燕岳に登って拝んだ景色に心の底から感動した。

同時に下から登って山頂を目指す『登山』ではなく、この雄大な景色を眺めながらこの山々の尾根を『縦走』したいと思った。

遠くに圧倒的な存在感を見せつける槍ヶ岳山頂は人を寄せ付けない鋭利に尖ったフォルムで多くの山愛好家を魅了し続けるし、連なる尾根は地球が作り出した造形美として完璧な美しさを表現している。

この景色は春に登った時のもので、今回は槍の穂先や多くの尾根は雲がかかって見えなかったのだが。。。

先日、燕岳から大天井岳へ向けて歩き出して間も無く周囲を見渡してふと気がついた!

今この瞬間

『山の頂上を歩いている』

2500〜3000m超の尾根を縦走するということは頂の連なりを歩いているということを理解した時、目の前の景色が大きな感動に変わった。


その時から連峰の中の山頂とは

『山と山を連ねる尾根の中で他より少し高くなったところ』

そんなイメージになってしまった。

山頂は時間があったら一応行ってみる。。。

楽しむべきはそれまでの行程であって、山頂が目的ではない

事実今回多くの山々を縦走して山頂近くを歩いた(※1)が山頂に立ったのは”槍ヶ岳”と”北穂高岳”のみ。

北穂高は山小屋からテント場までの道程に山頂があるので通過しただけで写真すら撮っていないし

槍ヶ岳もあの絶壁を登るという興奮がなければ登らなかったかもしれない(笑)

なんだか自分の中で『目から鱗が落ちた』ような感覚。

※1 燕岳(2,763)〜大天井岳(2,922)〜赤岩岳(2,768)〜西岳(2,758)〜槍ヶ岳(3,180)〜大喰岳(3,101)〜中岳(3,084)〜南岳(3,032)〜北穂高岳(3,106)

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朝6時。昨夜降っていた雨は止んでいて、寝床から外を覗き見ると槍の穂先もキレイに顔を出していた。

昨日は周囲の登山者に大きな遅れをとってのスタートだったのだが、この日は敢えて可能な限り遅めのスタートを考えていた。

今日チャレンジするルートはとっても危険!

昨夜の雨で濡れた岩が少しでも乾くのを待つ作戦。

とはいえコースタイム6時間のルートなので、少し余裕を持って7時半スタート〜15時到着(7.5h)目標。

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燕岳から槍ヶ岳の縦走。ここから上高地に下山するルートが『北アルプス表銀座』と呼ばれるコースなのだけど、今回はこのまま北穂高に向かうことにした。

そして本日のコースは昨日のルートが遊園地であったかのように思える難コースらしい。。。

槍ヶ岳(3,180)〜大喰岳(3,101)〜中岳(3,084)〜南岳(3,032)〜大キレット(大切戸)〜北穂高岳(3,106)

国内最難関Level登山道☆大キレット:体力度レベル9 / 難易度 E。

この”大キレット”に挑戦しようと決めた日から、ずっとドキドキ。

<ワクワク>と<不安>を天秤にかけてみるなら明らかに<不安>に傾くドキドキ。

これまでに多くの滑落事故が発生し今年もすでに何人も死亡している難所である。
不安を少しでも取り除こうと事前にインターネットやyoutube等でキレットの情報を収集。

参考にさせて頂いた動画の1つ

余計に不安が大きくなる。

槍ヶ岳を出発する準備も念入りに行う。バックパックへの荷物詰め方、ブーツの紐の締め方、ヘルメット、食料、グローブ

準備OK!! いざ行かん!

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天気最高!なんて言える感じではないけれど

雲が流れる稜線はとても神々しく

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あまりにも素敵で。。。

感動で目頭が熱くなることも

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荒々しい岩場が続く

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高い高度感のあるハシゴやクサリ場が続くようになってきて

いよいよキレットに入る手前で一旦休憩

装備を締め直す

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もう正直この後は写真を撮ったり景色を楽しむ余裕は正直なし。。。

ただただ少し前のルートを確認しながら

集中して目の前のコトに応えていく

3点支持と姿勢。荷物が引っかからないように細心の注意を。

長谷川ピーク
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馬の背のリッジへ。

このステップから下は数百m切れ落ちたまさに断崖絶壁

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ここをまたいで越えるとか。。。

怖いし。。。
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ここも難所の”飛騨泣き”
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うーん。

ネット情報等だと”長谷川ピーク”と”飛騨泣き”が核心部で要注意!って書いてあったりするけれど

正直ずーっと危険です。ちょっとしたミスが死に直結する場所。

もし岩が濡れたたり、風が強かったり、視界が悪かったりしたらワタシなら諦めるな。。。

すごく特殊な技術は必要ないけれど

最低限の鎖場、岩場等の登破技術や荷物を背負っても登れる体力、そして何より集中力が必要なのだと感じました。

だから正直半径50m以上の景色はほとんど覚えていないです(笑)

怖さは集中力で掻き消していたのかな。
北穂高小屋が見えた時の安堵感半端ねーし。

一気に緊張の糸が切れました。

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そしてここで頂いたカレーがホント美味しかった

営業14時までだったので、ゆっくりしてたら間に合わなかったな。危ない。

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ウッドデッキからの景色は皆無だけど(笑)

何よりこの達成感と

生きてココにまた来れたことへの幸せをコーヒーでじっくり味わう至福の時

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脱力。。。

この後雨が降り出す。

急いでテントを張り翌日の計画を考えてみる。

7:25 槍ヶ岳荘テント場出発
9:15~25 南岳山荘
11:09 HP
11:25 A沢のコル(2,755)
12:53 北穂高小屋到着

5時間半

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◇9/15(SAT)

北穂高岳〜上高地へ下山
◇9/11~13

千葉〜松本〜燕岳〜大天井岳(表銀座)

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