今回の内容は《クジラの解体》を写真で載せます。
コレ以降は少々【閲覧注意】ですのでご注意を。。。
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急遽経験出来ることになった、千葉和田浦での《クジラの解体》見学
http://sizk.makusta.jp/e228176.html
結果的にジブンの中で変わった漠然とした何かは
先日の島旅の中で《脳と五感の記憶のピース》を結びつけることが出来たように思える。
其々が別々の感覚で感じ、吸収したコトが今ようやく調和し共鳴し合っている。
しかし『イキモノを食べる』ということが、
感じるヒトによって理解が随分変わるであろうということも同時に思ったのです。
コレからはあくまでもジブンなりの理解なのです。
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【ワレワレはイキモノを食べる】
小さな小魚がイキモノであるなら
ニワトリもイキモノで
畑に生えた野菜もイキモノです。
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小さなチワワも犬で、大きな秋田犬も犬であると同様に
体長2m程のイルカは、体長10mを超すマッコウクジラと同様クジラなのです。
故に今回出会った8mもある巨大なメスのツチクジラの解体は
イルカと泳ぐことをライフワークの一部にしているワタシにとって
受け入れられることなのか、少々キケンな挑戦だったわけです。
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一晩海に浮かべられ係留されていた彼女は早朝5時ちょうどに港の解体所に
ウインチで引き上げられます。
ズルズルと。。。
骨格標本ではない完全体で、これほどまでに大きなイキモノに出会ったのは初めて。
大きく剥がれた顔の皮膚や
腐敗対策の為か、前日のウチに引き出された内蔵が生々しい
そんな巨体を計測した後、ナギナタのような特殊な出刃包丁を持った十数名ほどの作業員と
数名のクジラ調査員が取り囲み、其々の役割に従って淡々と、実に手早く解体をしていくのです。
人間の数十倍も大きなカラダの彼女の全ては
我々が知る、イキモノの大きさを遥かに凌ぐわけで。。。
小さなアリが体液を流しながら死んでいる様をみても大きな衝撃を受けないのと同様
ジブンの理解を超える大きな彼女は、ある意味“現実離れ”しているというか。。。
その時の意識が、少しリアリティに欠けていたことで冷静にその時を直視出来たのかと思う。
コレが2m程のイルカの大きさで、少しでも息があったら。。。
と考えると少々堪え難い。
イキモノに対する感情はその【大きさ】に大きく左右されるのかもしれない。
大きさに関わらず同じ1つの命のはずなのに。。。
そんな中、解体されていく目の前の命に対しての感情に変化もしていくのです。
滝のように流れ出る赤い血も
バリバリと音を立てて剥がされていく生皮も
漂う生暖かい臓物や獣の臭いも
顕微鏡を覗いているように巨大な内蔵も
その1つ1つが、驚くほど早く小さく切り分けられていく
この時あることに気付く。
不思議なことに、ココまで解体されると、この目の前にある【カタマリ】が
先ほどまで【イキモノ】であったことを忘れてしまう。
次第に小さな切り身にされることで
『お店に売られている、見覚えのある商品』
になってしまう。
ソコで『彼女』はいなくなるのです。
我々が【食べ物=イキモノだった】という事実を軽視してしまう瞬間なのかもしれません。
そして
ふと作業場の片隅に目を向けると
彼女が彼女であったと
改めて再認識出来る存在が確認出来たのです
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『ワレワレはイキモノを食べて生きている』
ソコには海の生物も、陸の生物も
野生のイキモノも飼育されたイキモノも
食物連鎖で勝ち抜いてきた暖かい血の流れた動物も
その糧になってきたイキモノも
大地から栄養を吸い上げ太陽の日を受けて懸命に日々を生き抜く植物も
1つ1つに【生】があり
その1つ1つに区別すること無く存在を認めたいと思うのです。
ワレワレは【イキモノ】を食さないと生きていけないイキモノだというコトを
改めて理解出来た気がします。
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帰り道
彼女ではないですが
先に獲られたツチクジラの生肉を食しました
昔から好きだったクジラ肉ですが、
1口食べた瞬間に
先ほどまでの【光景】【ナマヌルイ臭い】【皮を剥がす音】。。。
そして【舌に触る肉の感触】と【口の中に広がる風味と香り】
五感の全てが結びついて
箸が止まってしまいました。
初めての感覚です。
『モノゴトを理解する』
とはこういうことなのでしょうか。
勿論完食しましたが(笑)
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さて今回の経験を経て
コレからの生活の中で
ジブンの中の何が変わっていくのか
もしくは何も変わらず日々が過ぎていくのか
自分自身を観察していきたいと思います。
いつか、皆さんの“イキモノを食べるというコトへの意見”もお聞かせ頂けると幸いです。
最後に
少々衝撃的な写真で不快な思いをさせてしまったかもしれないことをお詫びします。
Happy Time