【オオツカ事務所通信vol35】(2011年12月5日号)

●昨年度 残業代不払いでの是正支払総額は123億円超
賃金不払残業(いわゆるサービス残業)について、
全国の労働基準監督署が労働基準法に違反していると是正指導した事案のうち、
1企業当たり100万円以上の割増賃金が支払われた事案の
平成22年度における状況が取りまとめられ、厚生労働省から公表されました。
今年は昨年よりさらに増え、100万円以上の是正企業数は165社増えて1,386企業、
是正支払総額は7億2,060万円増えて、123億2,358万円になりました。
■■ 割増賃金の是正支払の状況 ■■■■■■■■■■■■■■■■
・是正企業数          1,386企業(前年度比165企業の増)
・支払われた割増賃金合計額   123億2,358万円(同7億2,060万円の増)
・対象労働者数         11万5,231人 (同3,342人の増)
・支払われた割増賃金の平均額は、1企業当たり889万円、労働者1人当たり11万円
■■ 業種別等の状況 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
・企業数、支払われた割増賃金額では製造業、対象労働者数では商業が最も多い
・1企業での最高支払額は「3億9,409万円」(旅館業)、
次いで「3億8,546万円」(卸売業)、「3億5,700万円」(電気通信工事業)の順
厚生労働省が公表している賃金不払残業の是正事例
<事例A(小売業、約200人、北海道・東北)>
会社は、始業・終業時刻をタイムカードにより確認しているとしていたが、
監督署が会社の機械警備記録等を調査したところ、タイムカードの最終打刻者の退勤時刻と警備開始時刻に
大幅な相違が生じていた。そこで、会社からの事情聴取などの結果、所定労働時間終了後に、
労働者にタイムカードを打刻させた後で時間外労働を行わせていたことが確認された。
監督署は、確認した賃金不払残業について是正勧告するとともに、
(1)全社的な実態調査を行い、賃金不払残業が明らかになった場合には適正な割増賃金を支払うこと、
(2)賃金不払残業の再発防止対策を確立し、実施することを指導した。
労働基準法違反がないよう、日頃から、労働時間を適正に把握して、
時間外労働を行う必要がある場合には、36協定の締結・届出、割増賃金の支払いといった
手続きを適正に行う必要があります。
さらに、あらゆるトラブルに対応できるよう就業規則を整備しておくことが重要です。
不安があれば、お気軽にご相談下さい。
「転ばぬ先の杖」が大切です!