11月8日から11日まで東京ビッグサイトで行われている
インテリアフェスティバル2011 そちらのIC&KS専用PRコーナーに出展している
私の展示パネルの中から、全体テーマである、
「インテリアの記憶 -Memories」 についての
私のコラム を このブログにも掲載いたします。
「実家の玄関」
大阪の実家の玄関、 いつも帰省の際、ガラガラガラ~とその引戸を開ける音で
自ら帰ってきたんだーと実感するのが、この玄関です。
高校生の頃に今の実家に引っ越したのですが、大学が京都ですぐ下宿したこともあり、
その家は私にとっては帰って寝るだけの住まいで、それまでのいくつかの小さい頃の
住まいに比べても愛着が沸くような親近感はなかったのでした。
特に玄関は、ガラガラ~のサザエさん引戸! 私達子供は、ただでさえ大阪の田舎
(大阪の北海道と言われた端っこ、一応新興住宅地)に引っ越してきたのに、
さらになんでこんな昔風なん?!周りのお家はどこも瀟洒な洋風ドアなのに・・・っと
毛嫌いしていたもんです。
大学を出てハウスメーカーで働き出した頃、実家に来る人が皆、一様に
「この玄関は広いですね~」っと言っていて、確かに、玄関ホールが両隣のLDKと
和室の廊下も兼ね、水周りや階段の動線も兼ねてる為、広めにとってある3畳程の
ことを言っていると思っていたのですが、
ある日、母との話の中で、以前の家が京間サイズだったこと、だからこの家も
京間サイズで作ったことを初めて知り、 だから、玄関がよそと比べても
広く感じるんだ~ と納得したのを 覚えています。
それまで私はハウスメーカーにいながらも、インテリアは大好きだけど、
住まい全体までを 見る目など無く・・・
その京間のこと、空間のこと、広く感じるってどういうことか、などなど、
今までとはグッとモノへの見方が変わっていった出来事でした。
その玄関は、母のこだわりが随所に感じられ(っといっても一般人の普通の
感覚ですが)木の板張りの壁や天井は和風でありながらも昔風ではなく
(昔は砂壁) 長い靴箱のカウンターは、季節の花や寄せ植えや盆栽を飾るのに
丁度よく、 壁面には趣味で習っていた絵がよく飾られていました。
私が久しぶりに帰省し、玄関先で、その花のことや、以前と違う絵のことを言うと、
「気づいてくれたのはアナタだけ!」と言って、機関銃のように説明が始まります(笑)
実家の玄関は、一見何の変哲もない空間ではありますが、その空間を構成するもの、
飾るもの達、明るさや色合い、ガラガラという音などの五感に感じうる全てが、
住まい手の記憶に染み込み、「我が家の玄関」となっていくのでしょう。
それは、どこの玄関も似たような空間であっても、唯一無二なもの。。。
そんな記憶に残る、そこの空気を造る、家族のコミュニケーションやつながりへの
一助となるような、そんな空間造りに携わっていけたら、と思っております。
今のマンション住まいの玄関はタタキも入れても2畳もない狭い空間。
小さな息子がお父さんを見送りお迎えするには丁度いい?!のですが、
やはり、子供の成長に合わせ、玄関も広くしていきたい!ですね。。。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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