住宅設計の寸法単位を知る

 モジュールって言葉を聞いたことはありますか?
知っているという人は、ハウスメーカー通かも・・・(=^_^=)
 モジュールとは、住宅設計の寸法の単位のひとつ、
とでも申しましょうか、、、建築用語でいう、『半間』のこと。
 『半間』 って?? ・・・ますます判んない・・・??
 
 モジュールの基本となる、『半間』(ハンゲン)のことから。。
住宅設計の寸法単位っていうのでしょうか、建築では昔から
1尺、1寸という寸法単位が使われ、現在もその寸法単位を
元にしているものが数多くあります。 
 1尺=30.3333(cm)、 1寸=3.033333(cm)
 成り立ちなどは割愛しますが、 そこから、1間、半間、という
単位が建築では特によく使われ、今でも現場の大工さんは
その単位で話をされる方が多くいらっしゃいます。 
(メートル法などとの換算した表 
 ご参考  
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%96%93
 
 1間=6尺=1818・・・mm、約1820mm
 半間=3尺=909・・・mm 約910mm   
 この、1間、半間、は、畳のそれぞれ長辺、短辺を表しており、
6畳和室の短辺方向は、1間半、 長辺方向は2間、となる
わけです。
 ただし、ご存知のように、京間と江戸間(又は関西間と関東間)
など、地域などにより畳の寸法が違うので、現在では、
1間の寸法はあくまでも上記の寸法、というように統一されています。
 なので、 畳の寸法 長辺×短辺 は、
 京間は 191.0×95.5 cm (6.3×3.15尺)
 江戸間は 176.0×88.0 cm (5.8×2.9尺) となります。
 中京間というのが、 182.0×91.0 cm (6×3尺)となり、
  1間×半間の畳のサイズとなっています。 
 地方によって違いますし、今はほとんど標準化さえしている、
団地間サイズ、公団サイズの 170×85 cm (5.6×2.8尺) と
京間サイズを比べると、 畳1帖で、随分と差があることがわかります。 
 この差が、畳6畳で比較すると、 京間と団地間では、差は
長辺方向で42cm、短辺方向で31.5cm、 面積にして2.2743!
実に、中京間の畳1・3帖分以上あります。 
 なので、 畳サイズのどれを基準にしているかで、 同じ6畳でも
随分と広さに差があることがお分かり頂けると思います。
 
 これらの寸法基準を取り入れたのが、ハウスメーカーです。
モジュールやグリッドなどという表現で使われますが、 
1モジュール=910mm、 だったり、 1グリッド=900mmだったり・・・
積水ハウスは、そういう尺基準とは違う基準を取り入れ、 
メーターモジュールを採用、とうたっていますね。 
 先の、京間と団地間で随分と大きさに差が出てきたように、
積水ハウスと他社では、 大きさに差が出てくることになります。 
 設計をする上で、昔の大工さんが、1間、半間、 などと
使ったように、 設計する側も、同じように尺貫法で考える人も
いれば、 1P、3P、とか、2G、 3Gとか言うように、
1モジュール、1グリッドの単位で考える人もいます。 
 あなたがこれから依頼するところは、どんな寸法単位で
設計を行っているのか、聞いておくと、いいと思います。 
1モジュールでも、910mmなのか、900mm、なのかで、
少しずつ違ってくることがあるのでね。。。
 今までのお話では、なんだか、大きいほうがイイ、ように
思えますか?? 京間がいいとか、積水のメーターモジュールが
いいとか、 うちのマンションは、団地間だからやっぱりな〜と
落ち込んだりとか・・・ 
 寸法単位は、あくまでも、作り手サイドの基準単位なので、
それに一喜一憂することなく、 標準で知られる、メートル法に
置き換えたりして、( 坪単価で計算することが多ければ、 
○坪、というように、) 自分なりに把握することが大切だと思います。
  セールスが、ここは15帖のLDKです、といっても、
1帖の基準を尋ねたり、 どこまで入るのか入らないのか、
(柱型や、廊下のような部分) 聞くことです。 それが、
惑わされないポイントですね。 
 
 私は910mm、を1モジュールとして、畳1帖は、
標準=(中京間)=1.82×0.91m、1.62 、約0.5坪
で、いつも計算しています。 
 広い京間、積水のメーターモジュール、を聞くと、 うちも
あんな風にして欲しい、って思ったりする人も多いでしょう。 
 もし、メーターモジュールが、本当に良いものであれば、
もう今頃、世間の住宅は皆、メーターモジュールの住宅に
置き換わっています。 なぜそうならないのか・・・
 材料の問題があるからです。 
京間サイズの1間半や2間となると、 材料となる材木も
それだけ長いものを揃えねばならず、 構造材だけでも
揃えるのがタイヘンでした。 
 建具(障子や襖)、 塗り壁面積といった内装材も
大きくなります。 洋間ならクロスの面積も、基本となる幅も
大きくなり、 サッシも、標準(中京間) もしくは関東間などを
基準に品揃えをしていると、京間サイズ、メーターモジュール
サイズまで、なかなかメーカーは品揃えできなかった。
もしくは需要が少ないので、後回しになったり、割高になったり・・・
コストの面からも標準サイズで進めるところは多いです。
コストパーフォーマンスも良かったりするので。。。
 
 住んでからも、広くなったと喜ぶ人がいる一方、

やれ、カーテンサイズが無い、とか、手持ちの
家具とのバランスが悪い、とか、しっくりこないと、いう

声も上がったりで、なかなか、昔ながらの基準を一新

することは難しかったようです。

 背の高い人が増え、日本人の標準も大きくなったので、
天井高も、2400mm(8尺)よりも2500や2600などが
好まれるようになってきました。 それに合せて、リビング
など広めのサイズで構成するようになってきています。
 
 2×4の住宅が普及したり、集成材が広く使われだしたりして、
品質も安定してくると、 集成材は、ムク材と違って、
長めの寸法にも難なく対応できるので、 尺貫法に捉われない
寸法設計も出来るようになり、 今では、選択肢は随分と増えました。
 
 ただ、どの寸法基準を元に設計・工事しているかは、 
本当に様々で、会社毎や経営者・設計者毎にこれがイイと思って
使っている基準があるので、 もし皆さんが依頼をする先に
聞く機会があれば、一度聞いてみると、良いでしょう。
こだわりの話が聞けるのでは・・・ 

 和室の話は、また別のコラムにて・・・ 

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