1月17日の阪神淡路大震災から今年で15年。
今回は、住まいの耐震化のススメ について書きたいと
思います。
先日の朝日新聞の一面記事で、
「木造住宅の耐震改修補助
導入は市区町村の47%」 とありました。
国や自治体の助成を受けて古い木造住宅を
耐震改修する制度が、9道県でまったく利用されて
いない、そうです。
制度を導入した市区町村でも、09年4月時点で
改修への助成制度を設けているのは、857市区町村、
47%に留まる、とのこと。 国からの予算を消化
しきれてない、そうです。《あ〜もったいない!》
改修実績は、静岡 約9300戸、愛知 約5900戸
神奈川 約3000戸、宮城 約1800戸 。
改修費用は1戸あたり100万〜200万程度かかり、
兵庫県の県助成は80万に神戸市は上乗せで30万助成
しており、最大110万の補助が受けられることになる。
助成制度を導入していない県、改修実績がゼロの県などは、
財政難、の理由の他に、個人資産への公費投入への
抵抗感 などを挙げている、とのこと。
《そういうところは公共建物の耐震改修は進んでいるので
しょうかね〜??個人資産うんぬんより人命優先だと思うんだけど》
皆さんの住んでいるところに、こういう耐震改修の
助成制度や、耐震診断を行ってくれる行政サービスなど
ありますでしょうか?
建物の耐震が気になる、リフォームを検討中、の人は
一度チェックしたり、行政窓口に問い合わせて聞いてみる
ことをオススメします。 無くても、要望が多いと、行政も
動いてくれますから。。。たぶん。。。
助成の対象は、多くは、
1)1981年(昭和56年)5月以前の建築
2)2階建て木造・在来工法
その他、条件や優遇措置などがあるので、
相談したい建物の内容(築年や面積など)を調べて
やっぱり役所に電話してみましょう。
そして、まずは耐震診断のチェック(行政が無料で
行っている場合が多い)を受けるべく、
耐震診断無料相談、など役所が行っている無料相談に
ぜひ、行ってみてください。
耐震診断は、市区町村などで選定された専門の
耐震診断を行う人(診断士だったり建築士だったり、
地元の工務店や設計事務所が担ってるケースが多い)が
現地調査の上、診断します。
耐震診断をしてもらい、結果の報告書をもらって
説明を受けたら、そこから、さあどうするのかをじっくり
考えましょう。 焦って説明をしてくれた代理の工務店などに
すぐ工事を依頼してしまうのは、時期尚早です。
診断結果の内容をよく理解し、耐震補強・耐震改修を
行う為にはどうすればいいのか、最大限行う場合と
最小限に済ませたい場合、など、どういう方法が可能なのか
あちこち聞いたり調べたり、見積りをお願いしたり、
改修の提案をしてもらったりして、 いくつかの案から
改修内容に納得がいくもの、助成制度を活用できるもの、
予算に合う、など幾つかのアナタの希望に近いものから
選ぶようにするといいでしょう。
ひとつの業者から、一つの改修案だけ聞いて、それが
全てだ、その方法しかない、正しいやり方だ、と思い込むのは
辞めましょう。
本当は、基本の考え方は一つといいますか、そんなに
あれこれ耐震化のやり方があるわけではありません。
私達専門家から見れば、騙された耐震改修を行っていれば
すぐわかります。 っが、皆さん、特に耐震化を急がれてる方、
焦っている方は、悪徳業者の上手い言い方を、ついつい
信じて、高額なお金を支払い、「ぬかにクギ」のような工事を
してしまっているのです。 《あ〜もったいない!》
耐震化する為に、現行の建築基準法の耐震基準に準ずる
仕様にする為に、耐震診断結果の評点を1.0以上にする為に、
どういう風に改修すればいいのでしょうか?
それは、古い建物の診断内容(構造)にもよりますが、
基本は、壁面の強度アップです。 (わかりやすく言っています)
壁面と言うと、皆さんは「床から天井までの垂直な面」と
思ってらっしゃいますよね?
正確には、「基礎の上部、土台から梁(2階の土台に相当する)
までの部分。 横方向は、垂直に土台から梁まで立っている
柱、に囲まれた部分」 ということになります。
要は、室内から見えている垂直な面、だけでなく、床の下から
天井の上までの見えない部分も含めて、壁面、なのです。
だから、耐震改修して壁面の強度をアップ させようとしたら
必然的に、床をめくって土台から、天井をはがして梁まで、を
工事しないといけません。 室内をいじりたくない、となれば
外周壁から、外壁をはがして耐震改修工事を行う、ことに
なります。
だから、現実的には、耐震改修工事だけ行う、と、家の中や
外壁はあちこち剥がして元に戻した補修の跡だらけになります。
なので、おわかりですね、合せてリフォームの工事を行って、
床をフローリングにする、とかクロスを張り替える、とか、間取りも
変えちゃおう、とか、外壁も塗り替えだ、とか、屋根も軽くとか
(必ずしも屋根は重いと不利ということではありません)
あちこち工事することになり、リフォーム工事として、大規模に
なっていくのです。
ただ、そうなると費用が思った以上に掛かっていくことに
なりますので、 ご自身が希望する耐震化と工事規模や
予算を照らし合わせ、折衷案を見出すことです。
評点の高い倒壊しない建物に改修するのか、1階で寝起き
するので、1階を重点的に耐震化するのか、評点は低くても
納得のいくレベルで改修するのか・・・ナドナド。 それと
市区町村の助成金の条件を照らし合わせ(評点**以上に
すること等・・・) どうしていくのがいいのか、決めることです。
話が進むと、ついつい、どうせやるなら、と工事が大規模に
なりがちです。最初の目的=耐震化、をにらみながら、予算と
相談して、いっぱいいっぱいにならないようにしましょう。
耐震化の為の優遇措置は、助成の他に、住宅支援機構の
ローン、税制優遇措置などがあります。
耐震助成についても、期限が設けられていたりしますので、
いつまでも出来る、というわではありません。 早めに調べて
対応するようにしましょう。
耐震改修のローンだけでなく、銀行のリフォームローンなど
今は現役、という方は、積極的に使ってみてはどうでしょうか?
リタイアしてから、では銀行も中々貸してくれません。
もちろん、高齢者向け返済特別制度などもありますので、
まだまだ、この家に住み続けるゾ、という方は、
バリアフリーも合せて、少しでも住みやすくなるように
耐震改修をしてはどうでしょうか?!
その2へ続く
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