昨日の新聞に「あおげば尊し」に関する記事が出ていて、へーと興味深く読みました。
卒業式の歌としてよく知られたこの曲、
1870年頃に発表された米国の四部合唱曲、
「SONG FOR THE CLOSE OF SCHOOL」(卒業の歌)、
が原曲であったことを一橋大名誉教授桜井雅人さんが研究成果として発表した、
と記事はしています。面白い話だなと思いました。
明治時代、近代教育が始まった頃、欧米の歌に日本語の歌詞を付けたものが、
唱歌の教材として教科書に掲載された例が多くありました。
その後オリジナルの日本語の歌が欲しい、ということで、
多くの唱歌が作られましたが、
その多くは、作詞作曲未詳になっています。
これは国策として作者を伏せて発表した、という歴史的、政治的な理由によっているようです。
この時代の唱歌は、童謡と違い日本語も美しく、
芸術的にも大変格調高いものがたくさんあると思います。
先日の練習で、「冬景色」を歌いました。
さぎりきゆる港江の〜という曲です。
この曲も作詞作曲は未詳となっています。
子供の頃から私はいい曲だなと思っていましたし、改めてやってみても素敵な歌です。
言葉は難しいですが、今詳しい意味は分からなくてもいいと思っています。
こうした唱歌はどんどん教科書から消える流れにあり、
忘れられる運命にあるようです。
でもすばらしい財産であるこれらの歌に触れる機会はなるべく作っていきたい、
そう思っています。