第28作:寅次郎紙風船~(音無美紀子)

第28作:寅次郎紙風船~(音無美紀子); 全体的に物悲しさが漂っている印象が強い。冒頭の同窓会の騒動や、死病にとりつかれた老香具師とその貧しい生活風景、その未亡人との儚い恋愛……、オチのようだがオチになってない就職試験の結果など、見ていてつらくなるようなエピソードが山を成している。明るさをふりまくのは岸本加世子くらいだが、彼女の境遇も決して能天気なものではない。しかし、それでいて、心が温かくなるようなシーンもあって、不思議な感じを受ける。決して駄作というのではない。

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