雇用保険は労災保険(労働保険)とは
異なり、「被保険者」の概念があります。
「適用事業所設置届」という最初の届けで
事業所単位のデータを登録するとともに、
「被保険者資格取得届」で個人単位のデータを
登録していきます。
手続きが完了すると、従業員は「被保険者」となります。
カテゴリー: 【労働保険ガイド】
労働保険・概算保険料申告書
労働保険では、年度の最初
(または労働保険の保険関係が始まった日)から
50日以内に、その年度の最後(3月31日)までの
保険料を前納するシステムをとっています。
前納する場合の労働保険料の計算は、
その年度の賃金総額の見込み額に
労働保険料(労災保険料+雇用保険料)率
を掛けて行います。
これを概算保険料といいます。
保険料の申告を行い、
納付書をもって、銀行などで支払うこととなります。
翌年度の最初に、前年度の確定した賃金額によって
労働保険料(確定保険料)を計算し、過不足を計算します。
同時に、翌年度の賃金総額の見込み額に
労働保険料(労災保険料+雇用保険料)率を
掛けて概算保険料の計算を行います。
そして、前年度の確定保険料の過不足と、
翌年度の概算保険料を併せて、
翌年度の最初から50日以内に申告を行うことになります。
雇用保険とは
社員(被保険者)が、仕事を辞めると、
当然ながら収入がなくなってしまいます。
次の仕事がすぐ見つかればいいのですが、
いつもそうはいきません。
被保険者期間が6ヶ月以上ある社員が退職すると、
仕事が見つかるまでの収入の保障として、
おおよそ数ヶ月の間、退職前の賃金額の半分ほど
(年齢や被保険者期間、退職理由による)の
失業給付(いわゆる失業保険)を受けることができます。
労災保険とは
労働基準法によって、
労働者の仕事中のケガは会社の責任となり、
会社の負担で補償を行うことが義務付けられています。
しかし、実際に補償するとなると医療費や
休業補償の負担が大変なものになってしまいます。
そこで、労働者の仕事中のケガや仕事を
休んでいる間の給料を、国の保険で補償しようというのが、
労災保険です。
保険関係成立届
労災保険が適用になった場合も
雇用保険が適用になった場合も、
労働保険の保険関係成立の手続きを
最初に行うことになっています。
労災保険は、雇用保険のように
「被保険者」という概念が無く、
個別に「資格取得」「資格喪失」などの
手続きをする必要がありません。
労働保険関係成立届は、
毎年の労災保険料と雇用保険料
(あわせて労働保険料という)の計算と納付を
始めるための手続きです。
なお、建設業や農林水産業などは労働保険に関して、
例外として労災保険と雇用保険を一括して取り扱わず、
労災保険については労働基準監督署、
雇用保険については公共職業安定所(ハローワーク)での
手続きとなります。
労働保険とは
労災保険と雇用保険をあわせた
事業所単位の保険関係のことを言います。
適用事業報告とは
労働基準監督署が
労働者を使用する事業所(会社や個人事業)を
管理するために、義務づけている届け出です。
労働基準法とは
労働者の労働条件の最低基準を
定めた法律です。
採用、解雇のルールや労働時間の上限、
賃金の支払い、従業員が仕事中にケガをした場合に
会社が補償することなどが決められています。
労働者を雇って仕事をさせる場合に、
労働基準法を把握していなかったために違反をしてしまい、
最終的に会社が損害を受ける場合がよく見られます。
注意してください。
ちなみにパートやアルバイトも労働者に含まれます。
労災保険・雇用保険加入のまとめ
法人・個人事業にかかわらず、「適用事業報告」を
労働保険「概算保険料申告書」を労働基準監督署に
提出する必要があります。
※ 建設業や農林水産業など一部の業種については、
別途公共職業安定所に提出する必要があります。
労働保険の「保険関係成立届」を出した後、