ちょっと哲学2

青の牛に白の車を挽かせて、
老子は幽かに座っていた。
はてしもない旅ではある、
無心にして無為、
飄々として滞らぬ心、
函谷関へと近づいて来た。
ああ、人家が見える、
ぎょしゃは思わず車を早めたが、
何をいそぐぞ徐甲よと、
老子の微笑は幽かであった。
相も変らぬ山と
深い空には昼の星、
道家の瞳は幽かであった。
(水墨集)

これは、北原白秋が描いた老子像です。
友人と口論したり、夢中になって自分を主張したりしているとき、突然、頭の中をよぎる言葉がこれなんです。

「知る者は言わず。言う者は知らず。」
それとともに、白州の描いた老子像とを思い浮かべ
《自分がなんとつまらない人間なのかと、つくづく恥じ入ってしまうのです。》
次回は、「」について...

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です