悲しい物語
2011年6月27日
こんな雨の日でした。
一人の父親が、娘の自慢話を手土産に
ぶらっと、店に立ち寄りました。
グゥィーっと、冷えたビールを一杯飲み干して
抱えていたカバンからなにやら取り出しました。
出てきた物は、一冊の漫画本でした。
「これ、俺の娘が描いた漫画が初めて掲載されたんだ。」
恥ずかしげに、マスターに言ってました。
その店を訪ねてから二年半後、その父親は台湾で勤務中亡くなりました。
お店に残ったのは、この一冊の漫画本とその父親の娘への愛でした。
先日、旧友と酒を酌み交わしながら
昔の彼の話をしながら想い出をかたっていました。
天国でもいい父親であってください。
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