やはり、昼・・・に飲んだ

きょうお会いしたS先生は、湯川秀樹の弟子になる理論物理学者です。ところは、大阪難波の「がんこ寿司」2階。
やはり、3時間近くに及ぶ打合せは、飲みながら食べながらになり――まぁ、打合せと言っても、近況を語らいながらの雑談に近いものですが。しかし、話の節目はきちんとしていて、今後の企画3本を、なぜかわたしが経過を追うことに・・・。
学者というより、藤沢周平作品に出てくる老武士という雰囲気を漂わせておられるS先生は、齢、80に届く高齢です。ビールを飲み、日本酒を飲みで、酒精が入ると、より饒舌に語りだします。その話は、学問にとどまらず、政治や文化にまで及び、趣味の多彩さに圧倒されることもあります。
――まず最初は科学史に始まり、高野山周辺の歴史の話、囲碁の話に、オバマ大統領へ書簡を送った話・・・最後は、最近の囲碁ソフトの動静などなどです。
こうした博識の上に組み立てられる専門性は、湯川門下では当たり前のことのようです。以前に聞いた話ですが、理論物理学の教室でありながら、湯川教室を巣立った研究生のなかには演劇や民俗学に業績を残した人たちもいるということです。教え子が物理から離れて行っても湯川秀樹は、暖かく見守り、何もいわなかったそうです。
つねに、教え子たちのやる気と可能性を信じたからなのでしょうか。きょうのS先生も、大学院で教えた元教え子たちと落語を聞きに寄席にゆき、そのあと一杯飲むのが楽しいという方です。
「あんたには送るものがたくさんある。ひとつずつ勉強してくれ」
「・・・・・・」
わたしは、あまり呑気にしていられない・・・・・・か!?
(いま、帰りの新幹線のなかです。つぎの大阪行きは、「楠木正成の赤坂探訪」か)

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