太平洋側を中心とした日本の広い範囲で二十一日朝、太陽の中心部が月に隠され、細いリングのようになる金環日食となった。日本では一九八七年の沖縄以来二十五年ぶりで、今回のように広範囲で見られるのは平安時代の一〇八〇年以来、九百三十二年ぶり。首都圏では百七十三年ぶり。東京、名古屋、大阪などの大都市を含む史上まれな天文ショーとなった。
リングの形状は最大約五分継続。曇りがちな天気のもと、各地で観察した人たちから拍手と歓声が上がった。リングの細い部分が月面の凹凸により途切れ、ビーズが連なったように見える「ベイリービーズ」と呼ばれる特徴的な現象も福島県南相馬市などで観測。一方で天候に恵まれず日食が見られなかった地域もあった。