第3作:フーテンの寅~(新珠三千代); 男はつらいよ第3作。シリーズ初のお正月映画として登場した作品でもあります。マドンナ役は新珠三千代。旅館の女将がよく似合います。監督が森崎東に代わっています。この作品は前半が寅さんの縁談、後半が旅先のエピソードです。1~2作目が故郷に舞い戻った寅さんと懐かしい葛飾柴又の人達・幼馴染との触れ合いを描いたのとは若干趣が違っています。妹さくらの登場シーンが非常に少ないのも異例です。人間・車寅次郎に視点を置いた感じで、袖触れ合った人の人生の大事な瞬間に立ち会っても決してカタギの考えが受け入れられないフーテンの寅を描くことを主眼に置いたのではないでしょうか。花沢徳衛扮する老テキヤに見せる寅さんの口上が印象的。