アーカイブ | 12月 2009

第28作:寅次郎紙風船~(音無美紀子)

第28作:寅次郎紙風船~(音無美紀子); 全体的に物悲しさが漂っている印象が強い。冒頭の同窓会の騒動や、死病にとりつかれた老香具師とその貧しい生活風景、その未亡人との儚い恋愛……、オチのようだがオチになってない就職試験の結果など、見ていてつらくなるようなエピソードが山を成している。明るさをふりまくのは岸本加世子くらいだが、彼女の境遇も決して能天気なものではない。しかし、それでいて、心が温かくなるようなシーンもあって、不思議な感じを受ける。決して駄作というのではない。

第27作:浪花の恋の寅次郎~(松坂慶子)

第27作:浪花の恋の寅次郎~(松坂慶子); 寅さんシリーズとしては標準的な出来の作品ですが、よく見ると「とらや」の人々のアンサンブルが絶妙で、横顔や後ろ姿でもしっかり演技しているのには感心しました。後のゴクミシリーズでは主役となる満男役の吉岡秀隆もこの作品から登場です。マドンナの松坂慶子は当時20代半ば。とても初々しいのが印象的でした。

第26作:寅次郎かもめ歌~(伊藤蘭)


第26作:寅次郎かもめ歌~(伊藤蘭);;(リクエスト第5位)後の「学校」シリーズにつながっているのだろう、定時制高校の様子がメインテーマとして据えられているので、いつもの寅の失恋話とは一味違う作品になっているが、伊藤蘭の熱演もあり、シリーズ中期の佳作と呼んで差し支えない。ちなみに満男役の中村はやと氏最後の出演作でもある。