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第10作:寅次郎夢枕~(八千草薫)


第10作:寅次郎夢枕~(八千草薫); シリーズ4作目。このシリーズは最初の5作が一括りになっていて、3作目と4作目が山田洋次以外の監督になっています。今作は、小林俊一氏です。本作の特徴は、葛飾柴又の町内の人達との関わりが大きな要素になっています。さくらさんが今回も登場シーンが少なくなっています。その反面、町内の人やタコ社長の工場の職員が大挙登場してきます。マドンナ役は栗原小巻。幼稚園の先生ですが、お綺麗で良く似合いますね。前半が、競馬で大穴を当てた寅さんの凱旋帰郷。後半が小巻先生のエピソードです。小巻先生との湖でのデート・シーンは最高です。

第9作:男はつらいよ「柴又慕情」~(吉永小百合)

第9作:男はつらいよ「柴又慕情」~(吉永小百合);●ほら見なよ、あの雲が誘うのよ、それだけのことよ。 世間的には大人気らしいのだが、個人的には吉永小百合に親しみも畏敬の念も抱かない。マドンナとしても、それほど光っているとは思えない。むしろ珍重すべきは二代目おいちゃんの松村達雄の軽みではないだろうか。また、最初に歌子たちと寅が出会うまでの流れも秀逸。しかし、例によって柴又で再会した後の展開は、前半ほどには心を浮き立ててくれない。トータルで見て、十分に面白いんだけどね。傑作と呼ぶには何かが足りない気がする。

第8作:寅次郎恋歌~(池内淳子)

第8作:寅次郎恋歌~(池内淳子);●さくら、なくんじゃねえ、兄ちゃんはこれで幸せなんだよ。シリーズ第8作。親子の絆をベースに話が進む。旅芸一座とのやりとりから始まるのが実に良い。旅先での粋な寅さんから一転故郷に舞い戻って庶民に溶け込めず再び旅へ。博の母親が亡くなってお通夜の席でのやりとり。志村喬が第一話に続き登場。「生きる」を思い起こすような場面である。建前と世間体を気にした寒々とした父子の会話。本音を言うほどに場違いになってゆく寅さん。渥美清と重厚な貫禄を示す志村喬の組み合わせはやはりみどころ。

第7作:男はつらいよ「奮闘篇」~(榊原るみ)


第7作:男はつらいよ「奮闘篇」~(榊原るみ);●夏になったら鳴きながら、必ず帰ってくる、あの燕さえも、故郷恋しを、唄っているのでございます。 シリーズ第7作。いよいよ松竹映画の金看板となって、山田洋次=渥美清のコンビが冒険を試みたと感じている作品。マドンナ役の榊原るみは、知的障害を持つ女性。感動的な出会いのシーンから、徐々に狂い始め、暴走状態に入ってゆく寅さん。寅さんの常人と外れた部分を感じさせ、ひやりとさせられる場面がかなりある。そして最後はいつもの寅さんに戻って、というオチ。その寅さんと同等のウエイトで故郷・葛飾柴又「とらや」の人達が描かれている。冒頭、故郷の暖かさを懐かしむシーンから始まり、一時の平和と喧嘩。しかし、ちょっとしたことに大騒ぎで心配する家族の姿に観客は自分の田舎を連想するに違いない。

第6作:男はつらいよ「純情篇」~若尾文子)


第6作:男はつらいよ「純情篇」~若尾文子);●思い起こせば旧年は、恥ずかしきことの数々、玄界灘波音を聞くにつけ、思い出すのは故郷柴又の春でございます、未練な寅とお笑い下さいまし。 ●あらすじ~長崎で出戻り女とその父の愛情あるやりとりを聞いた寅さんは、故郷の柴又が恋しくなった。その頃とらやでは、遠い親戚で和服の似合う美人.夕子が下宿していた。そこへ寅さんが帰ってきて、夕子に一目惚れする。一方、博の独立問題で博と社長.梅太郎がそれぞれ寅さんに相談したから大変。話がこんがらがって大騒ぎ。結局、博は元のサヤに納まるが、寅さんのお熱は日増しに上がっていく。しかし、別居中の夕子の夫が訪ねてきてはかない恋に終止符が打たれた。寅さんが大人の恋を展開する哀しく滑稽なシリーズ第6作です。 ●原作・監督=山田洋次 ●マドンナ/若尾文子/ロケ地/長崎県五島列島福江島 ●<封切日>昭和46年1月15日