(第24作)寅次郎春の夢 12月24 (香川京子); 今作品には、アメリカ人のゲストが出演してます寅さんと同じ、鞄一つ持つて、ビタミン剤のセールスで、 儲からない役です、今の日本人が無くしかけている人情に、ふれて一騒動もおきます。 寅さんが振られる時は、寅さんのほうが察して、じっと耐えて、黙って去る旅に出るけれど、 別れは、昼の別れと、夜の別れがあるが、やっぱり夜の別れは寂しいね、さくらが可愛そうになる、 まだ昼間の別れのほうか゛明るくていい。今作品は夜の別れじゃない。
(第23作)翔んでる寅次郎 12月23 (桃井かおり); 桃井かおりほど、マドンナが似合わない女優もいないだろう。 このキャスティングの時点で負けであるが、 「男はつらいよ」の並々ならぬ底力は、 それを様々なエピソードと作劇術を駆使して補強し、作品のレベルをかつがつ及第点にまで上げてしまったことでも分かる。 序盤と結尾で顔を出す湯原昌幸がかわいい。
(第20作)寅次郎頑張れ 12月20 (藤村志保);今年はマジメにやるぜ、なあ、さくら!寅さん20作目の大奮闘! 中村雅俊と大竹しのぶが出演していますが、若くて初々しいのに好感が持てます。 二人を結びつけようと寅さんが指南するが矢張り裏目に! 奥手の中村雅俊が昭和50年台初頭の純朴青年をよく体現しています。 二人が動物園でデートするシーンは実に微笑ましいです。 もう一つ目立たない作品ですが、私は好きです。 そして中村さん、大竹さんともに現在も活躍しているので、やはり山田監督は 見る目がありますね。
(第19作)寅次郎と殿様 12月19 (真野饗子); ボケ老人と紙一重の殿様を大真面目に演じる嵐寛寿郎のおかしさ(亡くなる3年前の作品です!)と、 表向きは従順だが、裏では要領良く立ち回っているであろうと思われる執事吉田の三木のり平の怪演で、 マドンナの真野響子がすっかり霞んでしまった作品ですが、楽しめます。 夢のシーンは、嵐寛に因んで鞍馬天狗!吉田義夫の新撰組との対決です。
(第18作)寅次郎純情詩集 12月18 (京マチ子);寅さんがホラまたホの字。新春にひらく高嶺の花。二輪!美しい母娘との出逢い!久びさ車寅次郎の青春譜! 寅さんシリーズはどの作品にも味わいがありますが、この「純情 詩集」も忘れ難い。旅の一座に歓迎される寅さんも貫禄十分。その 一座が演じる芝居でのセリフ「人間はどうして死ぬのでしょう」。 この言葉に寅さんはやがて直面しなければならなくなります。 寅さんでなければ田舎芝居になってしまうシーンです。