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(第9作)男はつらいよ「柴又慕情」
- (吉永小百合);<公開72.08 >ほら見なよ、あの雲が誘うのよ、それだけのことよ。
- 世間的には大人気らしいのだが、個人的には吉永小百合に親しみも畏敬の念も抱かない。
- マドンナとしても、 それほど光っているとは思えない。むしろ珍重すべきは二代目おいちゃんの松村達雄の軽みではないだろうか。
- また、最初に歌子たちと寅が出会うまでの流れも秀逸。
- しかし、例によって柴又で再会した後の展開は、 前半ほどには心を浮き立ててくれない。
- トータルで見て、十分に面白いんだけどね。傑作と呼ぶには何かが足りない気がする。
(第8作)寅次郎恋歌
- (池内淳子);<公開71.11>さくら、なくんじゃねえ、兄ちゃんはこれで幸せなんだよ。
- シリーズ第8作。 親子の絆をベースに話が進む。旅芸一座とのやりとりから始まるのが実に良い。
- 旅先での粋な寅さんから一転故郷に舞い戻って庶民に溶け込めず再び旅へ。博の母親が亡くなってお通夜の席でのやりとり。
- 志村喬が第一話に続き登場。「生きる」を思い起こすような場面である。 建前と世間体を気にした寒々とした父子の会話。
- 本音を言うほどに場違いになってゆく寅さん。 渥美清と重厚な貫禄を示す志村喬の組み合わせはやはりみどころ。
(第7作)男はつらいよ「奮闘篇」
- (榊原るみ);<公開71.04>夏になったら鳴きながら、必ず帰ってくる、あの燕さえも、故郷恋しを、唄っているのでございます。
- シリーズ第7作。 いよいよ松竹映画の金看板となって、山田洋次=渥美清のコンビが冒険を試みたと感じている作品。 マドンナ役の榊原るみは、知的障害を持つ女性。
- 感動的な出会いのシーンから、徐々に狂い始め、暴走状態に入ってゆく寅さん。
- 寅さんの常人と外れた部分を感じさせ、ひやりとさせられる場面がかなりある。
- そして最後はいつもの寅さんに戻って、というオチ。その寅さんと同等のウエイトで故郷・葛飾柴又「とらや」の人達が描かれている。
- 冒頭、故郷の暖かさを懐かしむシーンから始まり、一時の平和と喧嘩。 しかし、ちょっとしたことに大騒ぎで心配する家族の姿に観客は自分の田舎を連想するに違いない。

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第2作続.男はつらいよ
(佐藤オリエ) ;<公開69.11> 男はつらいよ第2作。第一作目から何と3ヶ月足らずで作られた続編。マドンナ役は佐藤オリエ。
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東野英治郎扮する寅さんの恩師の娘として登場します。この作品は寅さんが未だ見ぬ「瞼の母」を探すエピソードです。
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葛飾と京都で物語が進みます。寅さんが入院するのも珍しいですが、その医者に扮しているのが山崎努。
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そして「さしずめてめぇインテリだな」とい名セリフもこの山崎努に対して吐かれます。寅さんは、 このころは非常にワイルドといいますか元気がよくトラブルを巻き起こします。
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東野英治郎扮する恩師と酒を酌み交わすシーンが度々登場しますが、 これが非常に良いです。おかしくてジーンとくる作品でした
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(光本幸子) <公開69.08 >本作は第一弾として、監督、役者、スタッフの作り手の熱気が強く伝わってくる作品なのである。
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妹のさくら(倍賞千恵子)、義弟のヒロシ(前田吟)が若く驚いた。 また彼らのなれ初めも、本作の縦軸として展開され楽しめた。
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印象的なシーンは、ヒロシと反目していた大学教授の父親(志村喬)が二人の結婚式に参列し、朴訥と語るスピーチのシーンは感動的であった。
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そして何よりうれしいのは、寅さんが若くワイルドで躍動的なのである。最期に追加で好きなシーンは、御前さまの笠智衆が記念撮影の際に「バター、バター、」
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繰り返しつぶやき、さくらに「それはバターではなくチーズですよ」
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と笑いながら訂正されるシーンも大好きなシーンです。
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出演: 渥美清,( 光本幸子) 監督: 山田洋次