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第38作:知床慕情~(竹下景子)

第38作:知床慕情~(竹下景子); この作品は、竹下景子が出演した三作の中の最高作であるばかりではなく、「男はつらいよ」シリーズの中でも最高傑作の一つではないかと思います。特に三船敏郎の頑固な老獣医と淡路恵子のスナックのママの恋物語、それを取り巻くすまけいの”船長”ら心優しい知床の人々がとても良かったです。一時、元気を無くしていた「男はつらいよ」シリーズもこの38作「知床慕情」以降、元気を取り戻した感じです。

「喜劇;急行列車」

●「喜劇;急行列車」~この作品はホントにいいです。昭和40年代の活気にあふれたよき日本の風情が懐かしく感じられます。 瀬川監督のドリフシリーズにも共通点はありますが、 この作品は、単なるお笑いにとどまらず笑い有り、涙有り、感動有りで後味のよい傑作です。
また、東京から九州への国鉄寝台列車の旅が描かれており、それだけでも旅情をそそがれワクワクします。 個人的に大好きなシーンがたくさんあります。
お弁当から輪ゴムが出てきたり、マイクのスイッチを入れたまま思い出話をしていたり、 中でも一番の見所は、渥美さんの動作(動き方)です。 喜劇役者としてあの動きができる人は他にはいないでしょう。出演: 渥美清, 左ト全 監督: 瀬川昌治

●「母べえ」~山田監督監督出演:吉永小百合

●「母べえ」~山田監督監督出演:吉永小百合:浅野忠信:坂東三津五郎:笑福亭鶴瓶:志田未来(子役):佐藤未来(子役原作:野上 照代 時代は、太平洋戦争の直前。ごくごく平和に暮らしていた4人家族(「父べえ」「母べえ」「初べえ」「照べえ」)のもとに警察が来る。そして、文章を書いて暮らしていた父親が治安維持法のため検挙される。「母べえ」は小さな体で2人の子供たちを一生懸命育てる。  山田監督が、戦時下の暗い時代の家族、そして人々の様子を真正面から描いている。貧しくても寄り添って暮らす家族、そして戦争に突入する中で、正常ではなくなる心が見事に映像化されている。最後病床での「母べえ」の言葉がぐさりとつきささる。 [ 2008年1月26日公開 ]

第37作:幸福の青い鳥~(志穂美悦子)

第37作:幸福の青い鳥~(志穂美悦子); 寅さんシリーズの初期の作品でしばしば登場した旅芸人の娘、小百合が志穂美悦子になって再登場したのにはびっくりしました。実生活では、この共演がきっかけで彼女は長淵剛と結婚し、芸能界を引退してしまいましたが、この作品の中での二人の相性は決してピッタリとは言えず、ちょっと意外でした。でも、葛飾区役所のシーンなどは爆笑もので、このシリーズの名脇役、笹野高史の代表作ではないでしょうか。

第34作:寅次郎真実一路~(大原麗子)

第34作:寅次郎真実一路~(大原麗子); 第34作は松竹創立90周年記念として製作されましたが、寅さんと仲良くなった証券会社の課長(米倉斎加年)が失踪してしまう、結構深刻な話で、残された妻(大原麗子)がシリーズ中でも最も暗いヒロインの一人として描かれています。ある対談で、山田洋次監督が「最も創作するのに苦しかった時期の作品」と評していたのもうなづけます。枕崎のロケが綺麗でしたが、辰巳柳太郎をもっと効果的に使って欲しかったですね!冒頭の夢のシーンは「寅次郎博士と怪獣」です。