(第38作)知床慕情

38(第38作)知床慕情
(竹下景子); この作品は、竹下景子が出演した三作の中の最高作であるばかりではなく、 「男はつらいよ」シリーズの中でも最高傑作の一つではないかと思います。 特に三船敏郎の頑固な老獣医と淡路恵子のスナックのママの恋物語、 それを取り巻くすまけいの”船長”ら心優しい知床の人々がとても良かったです。 一時、元気を無くしていた「男はつらいよ」シリーズもこの38作「知床慕情」以降、元気を取り戻した感じです。

(第37作)幸福の青い鳥

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(第37作)幸福の青い鳥

(志穂美悦子); 寅さんシリーズの初期の作品でしばしば登場した旅芸人の娘、小百合が志穂美悦子になって再登場したのにはびっくりしました。 実生活では、この共演がきっかけで彼女は長淵剛と結婚し、芸能界を引退してしまいましたが、 この作品の中での二人の相性は決してピッタリとは言えず、ちょっと意外でした。 でも、葛飾区役所のシーンなどは爆笑もので、このシリーズの名脇役、笹野高史の代表作ではないでしょうか?

(第36作)柴又より愛をこめて

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(栗原小巻); 36作は、家出したタコ社長の娘、あけみ(美保純)を寅さんが下田に探しに行くという前半の設定が良く、 美保純が今までの作品の中で一番活きていました。栗原小巻の式根島小学校に残り、 婚期を逃してしまった先生は適役だったのに、後半の川谷拓三と結婚するストーリーの描き方が今一歩だったのが残念な作品です。 夢の部分「日本人初の宇宙飛行士・車寅次郎」も今一歩でした。

(第35作)寅次郎恋愛塾

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(樋口可南子); 今回は、ヒロイン(樋口可南子)に惚れながらも、彼女に恋する司法浪人
(平田満)を寅さんが応援するという 今迄とは異なる状況設定なので、

結構楽しめまし長崎・五島で一夜を提供してくれた老婆の死など脚本がなかなか良かったです。
松村達雄の教授や杉山トク子のアパートの大家さんなど脇役の上手さも光っていました。

ラストのポンシュウの話は「レ・ミゼラブル」のパロディですかね
夢の部分は「姥捨山のパロディ」です。

(第34作)寅次郎真実一路

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(大原麗子); 第34作は松竹創立90周年記念として製作されましたが、寅さんと仲良くなった証券会社の課長(米倉斎加年)が失踪してしまう、 結構深刻な話で、残された妻(大原麗子)がシリーズ中でも最も暗いヒロインの一人として描かれています。 ある対談で、山田洋次監督が「最も創作するのに苦しかった時期の作品」と評していたのもうなづけます。 枕崎のロケが綺麗でしたが、辰巳柳太郎をもっと効果的に使って欲しかったですね! 冒頭の夢のシーンは「寅次郎博士と怪獣」です。