みなさん、こんにちわ。
今日は、清掃業という分野から一旦離れ、箸休めの投稿にしたいと思います。約一年前に出会った本で今でも大切にしている本「ハーバードの個性学入門~平均思考は捨てなさい」トッド・ローズ著(以下:著者)
ハーバード教育大学院の研究者である著者。ハーバードと聞くだけで私とは住む世界が違う、と思いましたが気になり購入。研究者である著者がありとあらゆる研究をした中で導きだされた研究結果をまとめた本です。(論文を読んでいるようでとても面白かった)
私たちは、無意識に「平均」を意識して生活をしている気がしませんか?平均身長・体重、平均点、平均年収、平均的な昇格の年齢など、縛られていないようで縛られ、優等生か劣等生かで判断される事に嫌な気分になりながらも、自分も自分でみんなのように出来ない部分に劣等感を感じたり。。
この本は、1940年代末のアメリカ空軍でパイロットが飛行機を制御できなくなり、最悪の時点では一日に17人のパイロットが墜落事故の犠牲者となった。という話から始まります。当初は「パイロットエラー」つまり人為的ミスと思われました。なぜなら、飛行機は何度もテストを行いあらゆる技術を駆使して作られた“完璧”な作品だったからです。でも、パイロットも未熟な人たちではなく優秀な人材でした。ではなぜ?1人の航空医学研究所に勤務していた中佐が気付いてしまったのです。当時の飛行機のコックピットは、すべてのパイロットの体の様々な箇所(実に140カ所)を測定し、平均値をしぼり出して作られていました。そうする事でだれもが座りやすいコックピットになると思われていた。しかし、今度はこのコックピットにピタリとはまるパイロットを探してみたところ“平均的なパイロットなど存在しなかった”という結論に。それから技術は進歩し、それぞれのパイロットが自分の体に合わせられるようなシートやヘルメットが開発されたそうです。
コックピットにすら平均値が当てはまらないのだとすると「人間」はどうなのだろうか。著者は今でも平均思考で判断される世の中であることは認めつつ、履歴書のデータだけで判断せず人材の個性を重視してみた企業の売り上げ実績なども取り上げています。また、人の一面だけをみて「この人はこういう人」とレッテルを貼らずに、あらゆる多面性を観察し、相手の性格を見極めるべき必要性も教えてくれています。
わたしたちのような中小企業の場合、支店や部署がありませんから、個性を重視した人材移動などはできません。それでも、今日はこの現場でこのメンバー、誰をどこの担当にするかで現場を終わらせる時間は大きく短縮でき、次の現場に早く移動できる場合があります。わりと頭を使うのです。
この本は万人受けする本ではありませんが、会社のトップの方、バイトリーダーやシフトリーダーなど数人のチームをまとめる方、人間関係に悩んでおられる方にはぜひ読んでみていただきたい一冊です。
弊社は、良い意味で“平均的な従業員”はおりませんみんなそれぞれ自由に個性を爆発させております。それを温かく見守ってくれて従業員を大切にする環境が整っているという意味では平均的に働きやすい職場と言えるでしょう。平均的にね。。。。
では、また。