第14作:寅次郎子守唄~(十朱幸代); 赤ん坊を連れて帰ったり、十朱幸代の健康的な明るさなど、見所が多すぎるくらい詰まったいい作品だが、一番好きなのは、寅さんが上條恒彦演ずる貧乏青年の家に行く場面。塩をなめて酒を飲んだり、本当に貧乏そのものなのだ。確かに昔はこういう時代もあったのだ。寅さんの態度は悪いけど、妙に仲良くなってしまうのも暖かい。寅さんが先に告白していたらどうなっただろうかという余韻を残して終わるのも趣があっていい。
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寅次郎恋やつれ~(吉永小百合)
第13作:寅次郎恋やつれ~(吉永小百合); マドンナ吉永の二回目の登場だが、彼女と再会するまでの騒動が無類に愉快で楽しい。旅先での他愛もない話を聞かせるいわゆる「寅のアリア」が絶妙で、何回見ても(聴いても)飽きない。マドンナ登場以降は、第9作と似たようなやりとりが待っているだけで、それほど心躍らない。しかし、歌子と父との和解の場面は感動的だ。しかし、吉永を引っ張り出すためだけに殺された歌子の亭主がかわいそうだ。ちなみに二代目おいちゃん松村達雄はこれで見納めである。もうしばらくおいちゃんとして出て欲しかったと思う。
第12作:男はつらいよ「私の寅さん」~(岸恵子)
第12作:男はつらいよ「私の寅さん」~(岸恵子); ●あらすじ・・・とらや一家が九州旅行へ出発する前日、寅さんが帰って来た。隠しだてされムクれる寅さんだが、結局淋しく梅太郎と留守番をすることになった。それから数日後、小学校の級友・文彦に再会、懐かしさのあまりに悪酔いし、文彦の妹・りつ子の家で彼女の大切なキャンパスを汚して追い帰された。所詮つり合わない女流画家に寅さんが胸を恋焦がすシリーズ第12作。 ●原作・監督=山田洋次 ●マドンナ/岸恵子/ロケ地/熊本県天草、阿蘇、大分県別府 ●<封切日>昭和48年12月26日
第11作:寅次郎わすれな草~浅岡ルリ子
第11作:寅次郎わすれな草~浅岡ルリ子 ;●ほら、逢っている時は何とも思わねえけど分かれた後で妙に、思い出すひとがいますね。そういう女でしたよ、あれは。 男はつらいよ 寅次郎忘れな草 出演: 渥美清, 浅丘ルリ子 監督: 山田洋次 浅丘ルリ子演じるリリー3部作の第1作。(浅丘ルリ子は第48作「寅次郎紅の花」にも登場しますので、本当は4回出演していますが、最終作は別格なので、やはりリリー3部作と呼んだ方が良いと思います。昭和48年の作品なので、寅さんもリリーもとらやの人々も皆若いです。最後、リリーは寿司職人の毒蝮三太夫と結婚して、寿司屋の女将さんに納まりますが、初恋の人は寅さんかなとか「この旦那より本当は寅さんの方が好きなんだけど。」とあっけらかんというリリーは、やはり寅さんシリーズの華ですね!
映画「私は貝になりたい」
「私は貝になりたい」高知の港町で細々と理髪店を営む清水豊松は昭和19年に招集されるが、終戦後、無事に家族のもとへ帰ってくる。しかし、平和な暮らしを取り戻したかに見えた矢先、MPに戦犯として逮捕される。従軍中、上官に捕虜処刑を命ぜられたのだった。拒めば自分の命がないことを占領軍による裁判でどれだけ訴えようと聞き入れられることはなく、重い判決が言い渡される。妻の房江は減刑の嘆願書に署名を集めるため奔走する。 [ 2008年11月22日公開 ]