(京マチ子);寅さんがホラまたホの字。新春にひらく高嶺の花。二輪!美しい母娘との出逢い!久びさ車寅次郎の青春譜! 寅さんシリーズはどの作品にも味わいがありますが、この「純情 詩集」も忘れ難い。旅の一座に歓迎される寅さんも貫禄十分。その 一座が演じる芝居でのセリフ「人間はどうして死ぬのでしょう」。 この言葉に寅さんはやがて直面しなければならなくなります。 寅さんでなければ田舎芝居になってしまうシーンです。
(第17作)夕焼け小焼け
(太地喜和子); 寅さんシリーズでこれが一番好きだ。とにかく出てくる人が皆それぞれいい。ストーリーがいい。
気乗りしない様子で市内を案内されていた日本画の巨匠(宇野重吉)が、寅さんと再会し、車の窓から 乗り出して浮かべるあの笑顔。観ているこちらまで「遭えてよかった」と嬉しくなってしまう。
大地さんのはじけるような笑顔。皆にサービスして喜ばれると自分まで幸せな気分になってしまうような 可愛いい性分。
その人たちが抱えているちょっと哀しい部分。 巨匠や売れっ子の芸者さんが、寅さんの心根の純粋さを好いてくれるのがいい。
やんちゃな部分にちょっと困ってしまうところもいい。 観たら絶対に幸せな気分になれます。