こんにちは、看護師の竹内です。
早いもので、あっという間にもう梅雨入りしてしまいました
5月から、ワンちゃんにとって大切な予防である、フィラリア症予防のシーズンが始まっています!
更新のタイミングが遅くなってしまいましたが…
今回は、フィラリア症予防についてお伝えいたします
フィラリア症とは…
線虫類に属する〝犬糸状虫(フィラリア)〟という寄生虫が、心臓や肺動脈に寄生することに
よって起こる病気です。
親虫は体長約15~30cm、単体~複数寄生し、さまざまな循環器障害を引き起こし、
死に至ることもあります。
蚊が媒介し、フィラリアに感染した動物を吸血した蚊が、別の動物を吸血する際に感染します。
フィラリア予防をするには…
月に1回、投薬をすることによって予防します。
〝予防をする〟といいますが、これはフィラリアに感染しないようになるのではなく、
お薬を飲むことで〝駆虫〟をします
≪フィラリアのライフサイクル≫
1.蚊が、感染動物から吸血。 蚊の体内にミクロフィラリア(子虫)が移行する。
↓
2.ミクロフィラリアが、蚊の体内で感染幼虫になる。
↓
3.蚊が、動物を吸血。 感染幼虫が動物の体内に入る。
↓ … ここで予防します!…
4.感染幼虫が、動物の体内で血管内を移動しながら成長し、
心臓や肺動脈に寄生する成虫になる。
フィラリアが成虫になってしまうと治療が困難なため、幼虫の段階で駆虫をします。
幼虫に感染しているかもしれない期間に、一定期間ずつ継続して投薬をします
千葉では、5月から12月までが予防期間としてすすめられています。
これは、4月から11月までフィラリアに感染する可能性があると推測されるので、
その1ヶ月後ごとに駆虫をするためです。
蚊は気温が約15℃を超えると吸血活動を開始します。
冬にも蚊の姿を見かけることがあるかもしれませんが、
基本的には吸血活動はしないと思われる為、低気温の冬の期間は休薬をする、
という予防方法が一般的です。
毎年、投薬開始前に必ず血液検査を!
上記のように、毎年5月頃から予防を始めて頂きますが、ここで注意点です。
投薬を始める前に、昨年までのフィラリア予防がきちんとできていたか、
つまり、現在フィラリア症に感染していないかを血液検査で確認をしましょう
当院では、2種類の検査をさせていただいています。
①フィラリア抗原検査
検査キットで検査します。
血液中に成虫が放出している物質(抗原)がないかを見ます。
←検査キット一例
②ミクロフィラリア検査
顕微鏡で検査します。フィラリアの子虫は顕微鏡で直接見ることが出来るので、
その姿がないかを見ます。
もし、フィラリア症に感染している状態で投薬した場合…
投薬によって死滅したフィラリアの死骸に対して、急性のアレルギー反応が起こり、
ショック状態に陥り動物自身が死に至ってしまうことがあります
万が一の事態に備えて、必ず血液検査を行ってください
予防薬のご紹介
当院では、ワンちゃんに、4種類の内服薬をご用意しています。
①モキシデック錠 ②モキシハートタブ
③ミルベマイシンA錠 ④パナメクチンチュアブルP
①・②について
フィラリア症の予防薬です。
昨年から、〝モキシデック錠〟をクッキー状のおやつタイプにした〝モキシハートタブ〟が
発売されました。
③・④について
フィラリア症の予防に加えて、お腹の中の寄生虫(犬回虫・犬鉤虫)の駆虫もできるお薬です。
〝ミルベマイシン〟は錠剤、〝パナメクチンチュアブル〟はお肉状のおやつタイプです。
猫ちゃんは、背中に塗布するスポット剤で予防します。
レボリューション
フィラリア症の予防・お腹の中の寄生虫(回虫)・
耳の中の寄生虫(ミミヒゼンダニ)・ノミの駆虫と、
4つの効果があります。
ご紹介した5種類のお薬は、いずれも毎月1回のペースで継続して投薬していただきます。
前々回の繰り返しになりますが…
蚊が媒介するため、室外飼いはもちろん、室内飼いでも感染する可能性はあり、
フィラリアは寄生する部位が心臓であるため、感染してしまうと治療がとても困難な病気です。
毎年の予防を、強くおすすめします
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最後に、子犬ちゃんたちをご紹介します。
5月初旬に、当院にて帝王切開で生まれたスムースコートのチワワの赤ちゃんです
お母さんもまめにお世話をしてくれて、元気に育っているそうです
今後も健やかに成長してくれますように
幕張ビーンズ・ペットクリニック
http://www.m-beans.com