こんにちは勤務医の中嶋です
前回、フィラリアは犬の心臓に寄生する恐い糸状の虫であることを紹介しましたが、
今回は、このフィラリアという虫が、間違えて猫ちゃんの体にも寄生することを知ってもらおうと思います
普段は犬に寄生するフィラリアですが、蚊が猫を刺した時に間違えて猫の皮膚にも感染します
⇒フィラリアは、「あ!ここは猫の体の中だ!間違えた!」と思うわけですが、一応目的地の心臓まで旅をしながら成長します
⇒ただ、やっぱり最適な環境じゃないので心臓までゴールし子虫を産むフィラリアは1~3匹程度です
⇒すると、フィラリアが寄生していても猫ちゃん自身は目立った症状を示すことなく時が経過します
そのうち、その数匹の虫が悪さをし始め、「なんとなく食欲がない、元気がない、時々吐くようになった、咳をする」などの
症状が出ます。時には全く症状が出ずに、突然死することもあると言われています
おそらく多くの飼い主さんが猫ちゃんが具合が悪くなると動物病院に連れてきてくれます
ワンちゃんの場合は、フィラリアに感染している事が分かれば症状が悪化する前に治療することが可能です
しかし、猫ちゃんのフィラリア症は診断法や治療法が確立されていないので、動物病院に来ても、診断も治療もできないのです
じゃあ、この病気に対して猫ちゃんにできることは何か
予防です。
逆に言うと猫ちゃんのフィラリア症は今の獣医療では、予防で感染しないようにすることしかできない病気なんです
実は既に猫ちゃんの10匹に1匹はフィラリアに感染しているというふうにも言われています
そういう訳で、当院では猫ちゃんのフィラリア予防を積極的におすすめしています
ここで、当院で扱っている猫ちゃんのフィラリア予防薬についてご紹介します
『レボリューション』
背中に垂らすピペットタイプのお薬 ↓
フィラリアの他に、ノミ・ミミヒゼンダニ・回虫の予防ができます。
『ミルベマックス』
ビーフフレーバーの錠剤タイプの薬 ↓
フィラリア予防の他、腸内寄生虫の駆除も同時に行えます。
前回、ワンちゃんのフィラリア予防薬を投薬する前には必ず血液検査が必要だということを説明しましたが、
猫ちゃんの場合は予防薬を投薬する前の血液検査は必須ではありません
(猫ちゃんの場合、血液検査をしても確実にフィラリアに感染しているという事が言える検査方法がまだ確立されていないんです)
猫ちゃんの場合もワンちゃんと同様、5月~12月まで月1回フィラリア予防薬を投薬することでフィラリア感染の予防をします
どのお薬が猫ちゃんに合っているかなども一緒に考えさせて頂きますので、当院受付までご相談ください
幕張ビーンズペットクリニック