(第16作)葛飾立志篇 12月16 (樫山文枝); 清新さが溢れた名作。恋愛というよりも、ギャグのネタとしてしか機能していないように見えて、 実は深く考えさせる内容を込めた 「学問」騒動の方に重点が置かれているので、ジメジメしたところがほとんどない。 多分シリーズ中唯一、寅が正月も家にいるとさくらに話すところや、大学生に扮した寅と源公の爆笑バイなど、 本筋とは離れたところの見所も多い
映画;男はつらいよ(第15作)寅次郎相合傘 12月15 (浅岡ルリ子); 「男はつらいよ」って若い人は観ませんねぇ。「笑い」の基準が最近はドライな方向に行っていて「寅さん」は正反対ですからね。 この作品に関していえば映画『冒険者』を思わせる(男2・女1)の旅シーン、「万年筆」を「万年ペン」と言う寅さんのセリフのセンス、素晴らしいです。 なぜ初期~中期の「男はつらいよ」が幾多のコメディ映画の中で繰り返しの鑑賞に堪えるのか。芝居、脚本などの勉強をしている方にはとても参考になりますよ。
映画男はつらいよ(第14作)寅次郎子守唄 12月14 (第14作)寅次郎子守唄 (十朱幸代); 赤ん坊を連れて帰ったり、十朱幸代の健康的な明るさなど、見所が多すぎるくらい詰まったいい作品だが、 一番好きなのは、寅さんが上條恒彦演ずる貧乏青年の家に行く場面。塩をなめて酒を飲んだり、 本当に貧乏そのものなのだ。確かに昔はこういう時代もあったのだ。寅さんの態度は悪いけど、妙に仲良くなってしまうのも暖かい。 寅さんが先に告白していたらどうなっただろうかという余韻を残して終わるのも趣があっていい。
(第13作)寅次郎恋やつれ 12月13 (吉永小百合); マドンナ吉永の二回目の登場だが、彼女と再会するまでの騒動が無類に愉快で楽しい。 旅先での他愛もない話を聞かせるいわゆる「寅のアリア」が絶妙で、何回見ても(聴いても)飽きない。 マドンナ登場以降は、第9作と似たようなやりとりが待っているだけで、それほど心躍らない。 しかし、歌子と父との和解の場面は感動的だ。しかし、吉永を引っ張り出すためだけに殺された歌子の亭主がかわいそうだ。 ちなみに二代目おいちゃん松村達雄はこれで見納めである。もうしばらくおいちゃんとして出て欲しかったと思う。
(第12作)男はつらいよ「私の寅さん」 12月12 (第12作)男はつらいよ「私の寅さん」 (岸恵子); あらすじ・・・とらや一家が九州旅行へ出発する前日、寅さんが帰って来た。 隠しだてされムクれる寅さんだが、結局淋しく梅太郎と留守番をすることになった。 それから数日後、小学校の級友・文彦に再会、懐かしさのあまりに悪酔いし、 文彦の妹・りつ子の家で彼女の大切なキャンパスを汚して追い帰された。 所詮つり合わない女流画家に寅さんが胸を恋焦がすシリーズ第12作。 原作・監督=山田洋次 マドンナ/岸恵子/ロケ地/熊本県天草、阿蘇、大分県別府 <封切日>昭和48年12月26日