こんにちは。勤務医の中嶋です。
5月に入り、たくさんのワンちゃんがフィラリア予防に来院されています
今回は、私が診察させて頂いていて多くのワンちゃんが「手足の先を舐める」という
行動があることに気付いたので、対処法を紹介させて頂きます
手足の先を舐める行動の原因でよくあるパターン
① 散歩後、ウェットティッシュで手足を拭いている
② 皮膚病(アレルギー)
③ 常同行動
①→ウェットティッシュは犬の皮膚には素材がゴワゴワしているので皮膚に
細かい傷ができてしまい、結果的に皮膚が赤くなったり、ワンちゃんが気にして舐めてしまったりします。この場合はウェットティッシュではなく、お水やお湯を絞った綿タオルに変えてもらうだけでよくなる場合が多いです。また、散歩後に石けんやシャンプーで足先を洗い、良く乾かさずに放置していても指の間に炎症が起きて、手足の先を気にして舐めてしまうこともあります。
②→手足の先、脇の下、股の近く、肛門周り、目周り、耳など複数の場所が
赤くなったり、痒くなったりするときは、アレルギーも考えられます。
長引くときは、血液検査でアレルゲンを検査をして低アレルゲンの食事を選んであげる
と痒みをコントロールできることがあります。
③→常同行動とは、何の目的もないのに同じ行動を繰り返し続ける行動です。
動物園のくまやライオンが檻の中で無目的にうろうろしているところから
動物のウェルフェアを考えるきっかけとなったそうです。動物園のこれらの動物は
野生の頃、起きている時間のほとんどを狩りなど捕食行動に費やしていましたが、
人間にエサを与えられることで、残りの時間を退屈して過ごしてしまいます。
それが、自分ではコントロールしきれないストレスとなり、無目的に同じ行動を
繰り返すようになってしまいます。
これはワンちゃんでも同じことが言え、散歩や遊びが足りない、留守番が多いなどの
環境で生活しているワンちゃんが無目的に手足の先を舐め続けるといった行動
はよく認められます。
そのようなワンちゃんたちの対処方法は
充分な散歩をしてあげてください。(毎日1日2回、1回15分程度が理想です)
1回に長く行くよりも頻繁に外に出してあげてください。
知育トイを使いましょう。
知育トイとは、中に入っているごほうびを工夫してゲットするタイプのおもちゃで、
犬の捕食本能を満たします。この類のおもちゃを導入するだけで、色々な
問題行動が予防できます。例えば、朝夕のごはんとしてあげているドライフードを食器の
代わりに知育トイに入れてあげるなどもよい方法です。
お仕事をされている飼い主さんにおすすめなのは、朝ごはんを全てトリーツボールに
入れて出掛ける直前に与え、犬が気づかないうちに出掛ける方法です。
そうすると、留守番中に時間をかけてごはんを食べることになるので
留守番中の退屈の解消にもなります
最後に・・・
4月にいつも良くして頂いている動物病院スタッフとの食事会がありました
しゃぶしゃぶ屋さんにて
幕張ビーンズペットクリニック
http://www.m-beans.com