私の大好きな曲にこんな曲があります。
尾高尚忠のフルート協奏曲です。
第1楽章の曲の頭がとても爽やかです。
このフルート協奏曲は、尾高尚忠の最後の作品になります。
最初は小編成オーケストラ版が作曲、初演されました。
そののち大編成オーケストラ版への改訂が進められましたが、1951年の作曲者の死により未完に終わっってしまいました。
当時日本でフルート奏者として活躍していた森正さんの依頼を受けて作曲を開始し、
フルートパートは、フルート奏者の森正さんの助言を受けながら、およそ2ヶ月で完成したそうです。
この版は同年初演されましたが、伴奏は小編成のオーケストラでした。
作曲者は大編成オーケストラ伴奏への改訂を計画、1950年の終わり頃から作業に取りかかったそうです。
しかし、多忙な指揮活動、健康悪化(酷い頭痛に悩まされていた)のため、思うように作業ははかどらず、1951年2月16日、作曲者は最後の1ページの完成を見ずに他界してしまいました。
続きは弟子にあたる林光が完成し、吉田雅夫を独奏者として作曲者の追悼演奏会で初演されました。
その後、作曲者の長男である尾高惇忠によるピアノ伴奏版も作られています。
全体的に明るい流動感に満ちている曲で、第1楽章 「アレグロ・コン・スピリト」 はどくか日本を思わせるような、第2楽章 「レント」 は、東洋の瞑想的な雰囲気が、第3楽章 「モルト・ヴィヴァーチェ」 は華やかなフィナーレを飾っています。
私は1楽章のみ演奏した事がありますが高度なテクニックを要しますので、テクニックのエクササイズ(タファネルなど)を十分にこなしてから挑戦してみるとよいでしょう。
