【阿部会計】利益でた!どうしよう!?⑤~短期前払費用~


前回のブログで、経費の概要をご紹介しました。
もう少し、経費の一般的な話をしましょう。
 憲法84条により、租税は法律により定められることとなっています。
しかし、具体的な運用についてまで、税法は細かく規定しているわけでは
ありません。
もちろん、法律をどう解釈するかは裁判所の仕事ですが、
(税法に限らずですが)税法の場合、課税庁がその解釈や運用に
ついての指針を公表しています。この指針のことを「通達」
いいます。
つまり、この通達の書いてある通りに適用すれば、課税庁としては
適法とする、というわけです。
厳密に言うと、この通達が必ず適法かどうかは、最終的には裁判所が
判断することになりますので、絶対正しいものではありません。
念のため。
 今回はその通達をひとつ紹介します。
法人税法基本通達 2-2-14(短期前払費用の損金算入)
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2-2-14 (抄)
前払費用(一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した費用のうち当該事業年度終了の時においてまだ提供を受けていない役務に対応するものをいう。以下同じ。)の額は、当該事業年度の損金の額に算入されないのであるが、法人が、前払費用の額でその支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るものを支払った場合において、その支払った額に相当する金額を継続してその支払った日の属する事業年度の損金の額に算入しているときは、これを認める。
(注) 例えば借入金を預金、有価証券等に運用する場合のその借入金に係る支払利子のように、収益の計上と対応させる必要があるものについては、後段の取扱いの適用はないものとする。
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結構大事なことが書いてあるので、そのまま掲載しました(笑
 本来会計は、経費については税法と同じ、債務確定基準で
計上時期が決まってきます。ただし、これを原則としながらも
金額的に重要性の低いものについては、支払い時に費用に計上することを
認めています(企業会計原則注解[注1]重要性の原則)。
この通達は、企業会計原則にあわせた解釈となっています。
上記を踏まえて、この通達はこう読み替えることが出来ます。
「前払費用は原則としては払った期の経費ではないが、
支払ってから1年以内に役務の提供等を受ける予定で、かつ、
毎年継続して支払い時に経費処理しているのであれば、
その経費は認める
どうでしょうか?
もし会社が、1年以内に役務の提供を受ける見込みの経費を
その期に支払えば、その支払いは、その支払った期の経費として
認めるということです。
ここでポイントは、「毎期継続する」ことです。
当期から会計方針を変更することは、合理的理由があれば
問題ありませんが、例えば、
「今期は利益が出ているので先払いしたが、
来期は利益がないので前払いはや~めた」
というのは、当然問題となるでしょう。
何故なら、課税庁の解釈とは違うからです。
 毎期とは、一体どのくらいの期間なのか、これは議論がありますが、
少なくとも3年以上は継続したいものです。
覚えておきたい重要な通達2-2-14、頭に入れておくと良いと思います。
 法人の決算についてもっと詳しく知りたい方、
不安がある方は遠慮なくご相談ください。

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ここまで読んでいただきまして、ありがとうございました!

投稿者:

abekaikei

 千葉市花見川区幕張本郷で開業している、阿部尚武税理士事務所のマクスタブログです。千葉市花見川区を中心に活動しています。中小企業のことなら何でも聞いてください!  相続や不動産の譲渡も得意です。お気軽にご相談ください。

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