三井さんの言葉~その2

「リンゴの木を描こうと思ってリンゴ園に行ったら、りんごの木が描けなくなったお話」
「月刊絵本とは年々もつきあいがあって、
こうして皆さんともお目にかかれたんですけれどね。
まだ見ぬ方とお友達になることもあって、手紙をくれることがあるんですね。
その中に絵本はどうして描けばいいんですかと、聞いてれる方がいるんですけど、
私は意地悪でもなんでもなくてね。
いっっしょに描きましょうとか、そういうことしか言えないのね。
そんなことより、手紙の文字の中に、私と同じことを考えている人がいるんだなあとか、
あっ、この人さみしいのかなとか、何が言いたいのかなとか、
そういうことばかり考えてしまって、返事を書くときに、その時に周りにいる、ハエが飛んできたらハエのこととか
レコードが聞こえたら、そのこととか、横道にそれながら、返事にならない返事を書いてしまうんですが、、、。
とにかく私も描きますから、あなたも描いてくださいって、とにかく絵本を作りましょうって
一行書くことしかできないんです。」

「絵本を作るときに、絵が先かどうかは、人によるとおもうけれど、
まあ話があったとしてそれにラフをつけて、本格的に組み立てるっていうのは、
私はわかっているつもりなんだけれど、私がそうしてないから人には、いえないんですけれど。
すべてはぶっつけ本番で、描いてはやぶいて、描いてはやぶいて、
結局気が付いたら自分はゴミの山にかこまれていて、破られずにいたものを集めて、これが、
月刊絵本のところに応募されたりして、いつも中途半端なんですけど。」
「今手探りの状態で、これからも当分こういう状況が続くと思います。
小さい子供が何かを表現したくて、おどおどしている状況ってあるでしょ。
あれと同じで、言葉を知らないんですよね。」

三井さんとは、私も表現者のはしくれなので、表現のことを色々話しましたが、
みなそれぞれ、表現したいものがあるなら、とにかく描く、それにつきる、
手法なんて、人それぞれでいいんだから、みたいなことを話ました。
何も描かないで、口だけでものを言う人が多いことも。
とにかく描く。そこから始まる、、、ということでしょう。
みなさん失敗を恐れたり、はじめから完全なものを求めすぎる人が多いのかもしれません。
もし表現したいものがある人は、とにかく手を動かす、、、と言いたかったと思います。
表現したいものが特にない人や、他で何かを表現できている人は、
あえて、しんどい、ものをく、、、なんてことをしなくてもいいわけですものね。

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