額入りの絵を、三重から送っていただきました。
いよいよ展示が近くなってきました。
三井さんの絵は、不思議な魅力にあふれています。
私のかってな私見ですが、
パワーのある、大らかな大胆な面と、
繊細で傷つきやすい多少神経症な面と、
両面がせめぎあって、微妙なバランスで保たれているように感じます。
自分でも言っていました。
「絵が細長い時期と、丸っこくなる時期とあるのよねえ」、、、と。
初期の頃は、細長めの絵で、
後半にかけては、仕事で子供の絵本をかいていたのも
あるでしょうが、丸っこい絵に、、
若いころの版画
でも、どれを見ても、三井さん以外の何ものでもないところが
スゴイ、と思います。
それは日常、暮らしでもそうです。
ほわん、、とおだやかでやさしい面と、
繊細で、鋭い面とあり、好き嫌いもはっきりしていました。
部屋の中も、三井さんの世界、そのものでした。
色んな気に入ったものを集めて、
自分流にアレンジして、
全てを三井さんの世界に変えてしまうのです。
ちょっと不思議な、繊細で、おおらかな、
三井さんの世界です。
彼女がよく言っていたのは、
「アーティストではなく、職人が好き」、、ということです。
これは、ものを描くことへの謙虚さの現れだと思います。
そういう気持ちがあるところが、
三井さんの魅力でもあるなあ、、と。
皆様も、それぞれ色んな思い出があることと思います。
じっくり絵をみて、彼女と対話していただけたら、、、と思います。
カテゴリー: 絵本
月刊絵本でのデビュー
三井さんの、絵本作家としてのデビューは
すばる書房の「月刊絵本」というところでした。
「ほうら小鳥がとびだしたじゅうたん」という作品です。
この作品で、創作絵本優秀新人賞を受賞。
ここからは、長谷川集平さん「はせがわくんきらいや」や
色んな方が出ています。
「国内外の絵本作家や作品の紹介・評論・分析を中心に、
“新しいメディア”としての絵本の可能性を、
さまざまに興味深い角度から考察している、
とても読みごたえのある真摯な雑誌。」
という評価があるように、
当時の、とてもインパクトのある雑誌だったようです。
部外者の私も、面白い本だな~と
思ったものです。
当時の才能のあった、ちょっと尖った?方たちが
デビューした場所だったんですね。
そこの編集さんをやっていたのが、Myumikoさんで
2月5日記事の「三井さんの作品リスト」の人です。
三井さんとは、あつい信頼関係のある、
よきお友達でした。
遺作展、10月3日の、トークショーでは、
月刊絵本のバックナンバーの展示をするので、ごらんになれます。
絵本「かくれんぼ」が中国版に
先日、
フレーベル館の編集Sさんから
連絡がありました。
三井さんの絵本「かくれんぼ」が、
中国から、出版のオファーが来ている、、!と。
そして、後日
弟さんの許可が出て、
出版が決まったそうです。
わ~い!
すごいグッドタイミングです。
三井さんの意思が、どこかで
働いているのかなあ、、、?
中国でも、三井さんの絵本が
読まれるんですね!
きっといい絵本だ、と
思ってもらえることでしょう。
ただ、出版が
遺作展に間に合うかどうか?は
まだわかりませんが、、
間に合えば、
中国版も展示できますね!
間に合うことを、祈りたいと思います。
フレーベル館のみなさん
ありがとうございました。
絵本かくれんぼ
三井さんは、みんなに好かれていました。
子供と動物には、特にそうでした。
繊細で、暖かい人でした。
絵柄や絵本に、それが
そのまま現れています。
絵本をよめば、三井さんが
どんな人だったか、
すぐわかると思います。
みなさまも、彼女の絵本を
何冊か、もってらっしゃると思います。
フレーベル館に分けてもらった
絵本「かくれんぼ」は
12年に刷った本でした。
これも、とても彼女らしい絵本です。
もしかして、探せばまだ
他の出版社にも、絵本があるかも
しれません。
とりあえず、「かくれんぼ」を
60冊手に入れました。
これを、遺作展で販売できたら、、と
思っています。