三井さんの言葉~その1

この前のトークショーに出ていただいた、又重さんが
その時に言いそびれた、、と偲ぶ会の時に教えてくれたのが、三井さんの言葉でした。
彼女の人柄と、表現することの心持ちを伝えるのにいい、、と思われたようです。
それはとても三井さんらしく、すごくいい話でした。

月刊絵本78年10月号にのっています。
絵本の学校の講義録。
色んな絵本作家さんが、絵本の作りかた、等の絵本の講義の話をしている中で、
三井さんは「リンゴの木を描こうと思ってリンゴ園に行ったらリンゴの木が描けなくなったお話」として話しています。
長くなるので、いくつかに分けて書きます。(これは、九州でおこなわれたようです。)
「みんなが集まっているので、てっきり海を見ているのかと思ったら、本を見ていて、
都会と同じことをわざわざここでしなくてもいいと思っているのですけど。
私、1時間もつかどうかわからないから、早くご飯食べて、それでこの海の水の温度を足で感じて、遊んでもらいたいと思います。」
「子供は恐ろしいくらいの目をもっていて、4歳の甥と、ビーグル犬と3バカトリオで、毎日探検ごっこして暮らしてるんですけれどね。
子どもが言うには、犬が暑そうだから、毛を剃刀で取っちゃうと騒ぐんですね。
私、犬小屋に寝てみたの、そしたら案外涼しいのね。ただのらのらと暑そうな顔して暮らしているだけで、
うちの犬はずっと怠け者だと思って、頭なぐってやったんだけど、、」

「昔雪国に憧れててね。雪って美しいなと、雪国の人に言ったら、何気なく言った言葉だけど、相手の人を傷つけたらしくて
雪を知らなきゃいけないと思って、北海道の稚内の下の方の、水もない、ストーブもない、電気もないっていうところで、
数か月暮らしたことがあって、それでも井戸をガチャガチャやって、少しの水を得て、ただただ喜んでも水の重々しさと、
人の言いたいことが近づいてこなくて、その美しさだけを感じていたことがある。
先日、東北の祭りを見て、その勇ましさの中にある重み、夏の激しさを知って、やっと雪の重さがわかった気がするのね。
で、今まで雪を知ろうと思って、冬をさけてたけど、夏に雪を知るとは、、なんたるか、、、です。」

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