カウンセリングがすすみます
ここで私は 初めて言葉でのコミュニケーションを体験します
それまでは非言語のコミュニケーションでした 表情 仕草 ため息 舌打ち 言語以外のすべての方法で
これは原家族で当たり前にやられていたこと この方法がどこにでも通用すると思っていました
他の世界を知らないとは恐ろしいことです 親からもらうコミュニケーション方法がこれでした
それはおよそコミュニケーションとはいえません 家族以外の他人には通じないことも知りませんでした
ですから言葉の使い方がとても偏っていました
事柄や情報を伝えることはできる でも気分や感情を伝えることができない
当時は自分の気分や感情を抑え込んで生きていたので それはほとんど自覚されず 不全感は感じませんでした
実はACには こんな状態の人が多いのです 感情のやり取りをしない機能不全家族
原家族の中で無意識に本能的に感情の発露を抑えて生き延びてきた自分の不全になかなか気づけないのです
私自身も「私は健全な人間よ!」とカウンセラーに言っていたぐらいです
ずっと後になって「他の人たちはお互いに気分や感情を言葉にできて それを共感しあえるのに なぜ自分にはそれができないんだろう?」と感じたのです
カウンセリングはまるで幼児が言葉を学ぶ過程に似ていました
カウンセラー「今どんな感じ?どんな気分?」
私「…したいと思う』
カウンセラー「それは思う。思考。思うことと感じることは違うよ」
私「!!」感情を言葉にできないこと 感情そのものが働いていなかったことがようやく分かるのです
自分の感情を探す 表現する やり直す 言葉の使い方を真似る 学ぶ
相手の言葉の受け止め方の癖を直すことには相当な時間がかかりました
相手の言葉を「自分への攻撃」と受け止めていました 温かい言葉もアドバイスも全て自分への攻撃 と
認知の歪み 分かりやすい言葉にすれば ひねくれ者 真っ直ぐなコミュニケーションが取れなかったのです
相手の言葉に自分の余分な感情を上乗せしない これがキーワードです
何も足さない 何も引かない そのままを受け止める
こんな具合に 何もかも学び直し 生き直しです