自分の親からも同じように育てられた

痛ましい事件が続いています。

私は加害者がどんな育ちをしたのかをいつも考えてしまいます。

例えば我が子を虐待死させた親は、自分の親からも同じように育てられたのではないか。

例えばその場に居合わせた無関係の人を殺傷した青年は、自分の親からも同じように育てられたのではないか。

私の育ちの歴史にも、似たようなことがあるからです。

機能不全家族に生まれ育ち、普通の愛をもらえない幼児期、少年少女期を過ごし、死ぬことはなくても実際の死に等しい、もしくはそれ以上の親からの暴力を受け、自分の身体ではなく心を殺しました。

親からの言葉、視線、仕草、無言などの親からの攻撃。

ACにとっての死は、心の死も身体の死もそう変わらないのかもしれません。振り返ればACは何度か死を体験しています。自分で自分を殺すのです。

見たくないことは「なかったこと」にする。記憶から消し去る。強い恐怖と遭遇すると乖離(かいり)する。必要があれば嘘をつく。小さい頃から自分を守るためにしてきたことです。自分を拒否されたら死んだことにする。そうしながら生き残ってきた「人生のサバイバー」がACだといえます。

親に褒められたいために、親の愛を受けたいがために自分の人生を差し出してきたのですが、それが報われることはなく、子の大きな失望はいつか恨み憎しみの感情に変わります。最愛の人との関係が上手くいかないということは、子にとって最大の悲しみ、汚点です。他者との良好な関係が築けない原因がここにあるようです。親への愛着は簡単に拒否されたため、他者とはそれ以上の関係が作れないのです。

その恨み憎しみの感情は他者にも同じように、親へ向けるよりも簡単に向けられます。

誰にもあるであろう心の傷

健全に育った子と機能不全家族に育った子では、見た目の大きさが同じでも深さが違うような気がします。

これを治すにはとても時間がかかります。根気も自我の強さも必要でしょう。恨み憎しみ怒りの感情をコントロールする方法を身につけることも、そもそもそんなネガティブな感情をできるだけ呼び起こさなくても済むようにならなければ。親に差し出した自分の人生の時間を取り戻さなければ。恐怖に震えているインナーチャイルドを癒してあげなければ。他者とのコミュニケーションには暴力や支配ではなく言語だけが必須だということを学ばねば。

親から受けた傷は簡単には癒えません。

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投稿者:

Pure

機能不全家族に生まれ育ったAC・アダルトチルドレンをピアカウンセリングします。コミュニケーションの不全やパーソナリティの不全にも向き合います。