ACの特徴に「過剰」という嗜癖があります。100か0か、All or nothing な感覚。中庸がないのです。これを他者に求める。
他者とほどよい距離をとる、ほどよい関係を保つ、ができない。幼児期からの見捨てられ不安が今も続いているのでしょう。
幼児期、親とべったりくっついて過ごす安心感を得られていないままなので、成長と共に離れていく体験もないまま大人になったのです。これを親以外の他者に求めてしまう。
ACの対人関係の過剰さはここからくるようです。
All or nothing ですから「他人に期待しない」と書かれると、相手を拒否する、関係を遮断する、嫌いになることと勘違いしてしまう。
他人には期待しない、とは具体的にはどういうことでしょうか。どうすることなのでしょうか。
❶ まず「他人は他人」「自分は自分」と自他の境界をはっきりさせる。
❷ 自分の欲求や感情で他人を支配・操作しようと思ってはいけないし、できるものではないと知る。原家族では行われていたかもしれないが、赤の他人には通用しない、通用させてはいけない。
❸ 「期待」という言葉を「支配」「操作」に置き換えてはいけない。期待はあくまでも期待。それが叶わないと相手を恨む、憎むのは相手の問題ではなく、自分の側の欲求や感情に問題がある。
❹ 他人に期待しないと同様に、自分にも過剰な期待しないこと。自分に期待して、それが叶わなかった時の打撃の方が大きいと想定できる時は、自分に負荷をかけないこと。できそうな目標を立てることはOK。1か100か、ではなく50でいい、20でもいい。どちらでもない中庸の心地よさを知る。
❺ あなたを受け入れるから、あなたも私を受け入れて!など交換条件を出さない。あくまであなたはあなた、私は私。それぞれ別の人格。お互いに自由であること。