一年を振り返る

一年が終わります
長いような 短いような時間の感覚です
ACの時間の感覚は独特です
普通なら 時間の経過に伴って人は成長し大人になるのですが
ACの場合 時間が過ぎても子どものまま
幼児期の恐怖や不安がトラウマになって 時間を止めてしまうからです
内なる子ども インナーチャイルドの成長が止まります
たくさんの時間が過ぎても 子どものまま
過ぎた時間は戻って来ないまま 身体は大人になっても心は子どものまま
あの頃に戻ってやり直せればいいのですが 残念ながらそれはできません
自分を癒す作業〜カウンセリングや心理療法〜をして
インナーチャイルドを早く大人にすることです
大人になりたくないAC
それは自分の親のようになりたくない という意味ですが
親を見て育っています 全てを親から学んで育ちました
言動 感情の表現 コミュニケーションのパターン 全てです
ですからACが大人になるためには 親以外の「見本」が必要です
全てを親以外から学ぶのです
とても難しいことですが これ以外には方法はないようです
自分という「いのち」を産んでもらったことへの感謝はできても
育ててもらったことへの感謝はできないACのー
静かな悲しみです
それでも時間は過ぎていきます
これから せめてこれからは 幸せな時間を過ごしましょう

自分にプレゼントを

クリスマス そしてお正月
ワクワクするような楽しさです
ACにはそんなことも 一瞬の煌めきというだけだったと
当時の自分を振り返っています
周りの子どもたちは 家族は みんな楽しそうにしているのに
自分だけが置いてきぼりにされたような寂しさがありました
自由な感情を抑え込み 自己規制と「楽しんではいけない」などの禁止令で生きて来たAC
幸せがどんなものか 実感できないまま大人にななりました
楽しい出来事に一瞬の笑顔を見せても すぐに暗い表情に戻ります
人生の基本が 幸せではないのです 小さい頃から
楽しいことは長く続かない すぐに悲しいことがあるのだと
機能不全家族に生まれた子どもは 家族のメンバーの不安定な感情や言動に巻き込まれ
安心 安定 笑顔 幸せ といったポジティブな感覚も体験もありませんでした
この時期 小さい頃を思い出して
して欲しくてしてもらえなかったこと してあげたくてできなかったこと
言いたくて言えなかったこと 言って欲しくて言ってもらえなかったことを
大人になった今の自分が あの頃の自分にしてあげるといいと思います
たくさんの愛の言葉を たくさんの癒しの言葉を
ささやかでも 胸に染みるプレゼントを

赦(ゆる)す ということ

誰よりも愛したい 誰よりも愛されたい
でも愛してはくれない 愛を受け入れてはくれない
だからこそ恨み 悲しみ 憎しみが誰よりも強い
こんなに大好きなのに こんなに大嫌い
ACにとって 親こそが これほどまでに感情を惑わせる存在です
この どうにも手のつけられない感情を手放すことが ACと決別するカギなのですが
なかなかできません
親と対面して 冷静に普通のテンションで 自分の感情を言葉にしましょう
その上で 親へのこんな感情を手放すのです
機能不全家族に生まれて大人になった子は 被害者です
加害者は悲しいことに 最愛の親
赦す
今までのたくさんの悲しみ 苦しみ 怒り 憎しみ 恨みを
すべて「なかったこと」にするのです
もちろんそんな記憶は忘れることなどできません
心の中の引き出しにしまう そして鍵でもかけることにしましょう

自分の人生は自分の自由に 楽しんで生きていい

親のために生きる 人のために生きる
親の評価が欲しい 他者の評価が気になる
自分というものがないまま生きて来たACにとって
自分の人生 とか 自由に生きる という言葉には
強い憧れと共に 少なからず恐怖を覚えます
まず自分の人生の主人公は 他の誰でもない自分であることを思い出さなくてはいけません
他者のものではないのです とりわけ親のものではない 家族や親戚のものでもありません
人生の時間の全ては自分のもの
大切に 後悔のないように使うことが必要です
全ては自分の時間ですから 自分の好きなように 自由に使うことができます
人生の目的 目標を決めたら 無駄のないように時間を使います
もちろん息抜きやストレス解消に あるいは自分へのご褒美にも
自由に の裏側の それに関わる全ての責任を自分が引き受けることも承知しておかなければなりません
自由に とは 勝手気ままに ということではありません
楽しむこともACは下手です
人生を楽しんでいけない 幸せになってはいけない と思っています
楽しむ=不真面目 という公式が出来上がっているのかもしれません
幼児期の禁止令は 無意識の中に残っています
慣れ親しんだ感覚 嗜癖を手放すのは なかなか大変ですが
やってみると目の前が明るく開けます

助長する人 イネーブラー

イネーブラー 助長する人 がいます
AC共依存を助長する人です
AC家族の元々の構図は アルコールに依存する(例えば夫)から
アルコールを取り上げることなく 普段は支配されながら
一瞬の支配(立場の逆転)に生きがいを見出す妻がいる状態です
助長する側は 親子の場合多くは親ですが 
助長と支配の裏には親から子への依存があります
依存と助長はギブアンドテイクの関係で続くことになります
助長しながら依存する 依存しながら助長するのです
助長する人は 他人もいます
恋人であったり結婚相手であったりします
惹かれ合う存在 類は友を呼ぶ です
より近い距離で原家族と同じように依存を続けます
助長する人は外側にもいます
AC共依存から抜け出そうとする人の足を引っ張る存在です
言葉では「あなたの自立を支援します」などと言いながら 実際は自分の支配下に置こうとします
そのやり方は巧妙なので 当事者たちは取り込まれてしまいます
自身も共依存なので 当事者の感情は分かっています依存する感覚を知っています
今まで依存していたACは 依存から離れようとしながら
まるで依存の相手を代えるように取り込まれます
それまでの回復に向けたトレーニングが台無しになってしまいます
気をつけなければ

「心の対話者 」 鈴木秀子

自分の感情を捉えるのが苦手なACに
他者の感情を捉えることが苦手なACに 絶好かも
ワタシのカウンセラーが勧めてくれた本です
その後カウンセラーのNPOに関わり 法人化のお手伝い
その後に受けた傾聴講座で とても役に立ちました
傾聴(けいちょう)というと今でこそ多くの人が知っていますが
当時はまだ一般的ではありませんでした
心を傾けて相手の話を聴く 聞く ではなく耳を傾ける のです
カウンセリングの基本でもあり コミュニケーションの基本でもあります
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いま求められているのは「話し上手」よりも「聞き上手」。
「聴く」技能を高めることができれば、人間関係のトラブルは解消される。
心を閉ざし孤立感を深める人たちの心の叫びを共感をもって受け入れ、サポートする方法を紹介。
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と紹介されている通り 聴く力を身につけるきっかけになります
会話の中で 注意して聞いていると 事柄ばかりの人がいます
あれがどうした それからどうなった が延々と続くのです
そういう人の話は大抵つまらないものです なぜでしょう
事柄の羅列ばかりで 感情や気分が言葉になっていないからです
ですから聞いている方は その人の話に共感も反感も持てません
傾聴の特徴は「相手の気分感情を聴く」こと
それに理解や共感を示すことです
そうすれば相手は「この人は自分を分かってくれている」と安心するのです
ACにとっては 会話によるコミュニケーションを学ぶ
絶好の教材になるかもしれません