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こんにちは。講師の仲田です。
何かコラムをと思い悩んだ挙句、日本古典について書こうと思います笑
音楽と古文。一体なんの関わりがあるのでしょうか。
古文で5.7.5.7.7調で書かれているものを短歌、和歌といいます。
一定のリズムで展開される言葉の羅列。それを歌と言うなら現代の歌と様式は違えど同じものです。
音楽にも歌詞がありますし、一定のリズムがあります。
インスト楽曲でも一定の音の並びをテーマ、クラシックなら主題という言い方をします。
共通することはそこに整合性がなければならないことです。
難しい言い方をしましたが、内容がめちゃくちゃなものは歌として成立しないということです。
俳句ではなく、なぜ和歌なのか。
和歌は相手がいて初めて成り立つものでした。
今で言うとこの手紙のように。
和歌への返事を返歌といいます。
実は音楽もそうなのです。
格好良いメロディをちょっとずつ何度か繰り返しますよね?
サビのメロディとか。
ラップなどでは韻を踏むという感じだとわかりやすいかもです。
僕の大好きなギターリスト、Larry Carltonのギターソロなんかもそうです。
歌詞を読んだり、書いたりする人、たくさんいると思います。
作曲する人、ラップする人、たくさんいると思います。
アドリブソロを弾いてみたい人、いっぱいいると思います。
それなりに勉強したんだけどなあ。。。という方、たくさん見てきました。
まずは音楽からちょっと距離を置いてみます。
他のことから学べる事って意外と多くあります。
僕の場合は、上記の通り古典文学、そして落語、お笑いから色々学びましたw
落語やお笑いについては今後コラムでも書いて行こうと思います。
和歌のやりとりで非常に美しいものを紹介します。
日本古典文学史上、最高の名作と呼ばれる紫式部の“源氏物語”
その第40帖“御法”の一節。
主人公、光源氏の最愛の妻である紫の上が亡くなるときの二人のやりとりです。
小康状態の続いた紫の上もいよいよ最期の時を迎えました。
そのときに詠んだ
おくと見る ほどぞはかなきともすれば 風に乱るる 萩の上露
現代語訳: 萩の葉の上にある露は風が吹けばあっという間にこぼれ落ちてしまうように 私の命も残りわずかとなりました。
露というのは命の隠語です。
表面上は萩の葉についた水滴は風がふけば落っこちちゃうんだぜ!
みたいな意味ですが、ここでは露を紫の上自身の命と例えて詠んでいます。
死ぬ直前までこんなに優れた和歌を残す余裕があったのかは甚だ疑問ですが、物語なので許してやってください。
この和歌に対する光源氏の返歌は
ややもせば 消えをあらそふ 露の世に 遅れ先立つ ほど経ずもがな
現代語訳: どうかすると先を争って消えてゆく露のようにはかない人の世にせめて後れたり先立ったりせずに一緒に消えたいものです
この場合の主題はやはり“命”である露というキーワードを中心に和歌でインタープレーをしています。
光源氏には先に詠んだ紫の上の和歌の内容と言いたい言を瞬時に判断し、返します。
まさにセッションですね!
さらに紫の上、実はこのあと
秋風に しばしとまらぬ露の世を 誰れか草葉のうへとのみ見む
現代語訳: 秋風に暫くの間も止まらず散ってしまう露の命を 誰が草葉の上の露だけと思うでしょうか
と返します。
死期が迫ってもこの余裕。きっと現代に生まれ変わっていたら凄いミュージシャンになっていると思います。。。
そんなやりとりのうち、紫の上は夜が明ける頃に亡くなりました。
実に適当に書いてますが、本当に源氏物語は素晴らしいです。
角川かどっかからビギナーズクラシック源氏物語という本が出ていたはずです。。。
どうしても音楽に行き詰ってしまった。。。そんな皆さん、是非日本文学、特に古典に触れてみてください!
仲田、最初のコラムはこれにて閉幕!
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by ギター講師:仲田晋也
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