ACの得意技は我慢
怒りの感情同様 泣くことさえ我慢してきました
泣いてはいけない 禁止令
これも親の姿を見て 自分がしっかりしなきゃと健気に振る舞ってきたからでしょう
泣かない子=いい子 という親からもらった価値観を 忠実に守ってきたのです
親からは欲しい愛がもらえないために 自分が親の言うことを聞くことで見返りを得たかったのです
ACが親からもらう非言語のメッセージは こんなにも強力に 子の人生を支配・コントロールするのです
泣く という行為は 我慢の解放です ストレスの発散です 悲しいから泣く というだけではありません
心の中に溜まっていたモノが涙になって自分の外に流れ出るのです
泣くことで心が軽くなります 心が楽になります もっと勧められてもいいことです
これを我慢するのですから ACのストレスは相当なものです
我慢するから爆発するのです 爆発するとその後の言動は自己制御できるとはいえません 思考停止してしまいます
本来は我慢など不要のものです
我慢ではなく上手く言葉にして 上手く発散させる 解放させる方法さえ身につければいいのです
その基本は言語化です すべてを言葉にする
何がどう悲しいのか すべてを言語化できたら
どうしたいのか 本当の欲求に気づくことができます
悲しみの感情を言語化できるまでは とりあえず我慢しないで泣く
泣いて心を軽くする けっして内側に溜め込まないことが大切です
投稿者: accodependcy
もっと怒ろう
怒りの感情
ACはずっと長い間 この怒りの感情を抑えて生きてきました
家族のメンバー 親の怒りに慄(おのの)き 自分自身の怒りを抑えたのです
もっと悪いことに 親の怒りの表現を見て育ったのです
親の怒りの表現は 何の前触れもなく突然の暴力です 周りのものを破壊し
あるいは周りの近しい人に暴力を振るいます
その間は思考停止 頭の中は真っ白です
やってしまった後に ことの重大さに気づきますが 後の祭りです
怒り=キレる と思い違いをしています
子は親を真似て育ちます
怒りの感情を言葉にする これが大切です 他の方法ではいけません
感情的になってもいけません 普通のテンションで言葉にします
怒りの感情を言葉にする 怒りだけでなく全ての感情を 喜び 悲しみ 同じで方法です
過剰になっても過小でもいけません 感じた大きさをそのままの言葉にします
喜怒哀楽の感情のうち この怒りの感情がきちんと表現できないと 他の感情表現も上手くいきません
怒りの感情はとても厄介です
特にACは いつも何かに対して怒っています 怒りの感情が自分の側に向かずに 自分の外に向かうのです
何かあるととても攻撃的になります そしてその相手との関係を遮断しようとします
これがACのコミュニケーション不全の根っこです
そしてその根っこの原因は 親 なのです
親への怒りを終わらせる必要があります
親への怒りを手放す 親への愛を諦めるのです
親を赦(ゆる)すのです とても難しいことですが
ですから 怒りの感情は抑え込まず 普通のテンションで
そのままの大きさで表現しましょう
きちんと言葉にすることを 最優先にします
言い換えたり 例えたり 自分の怒りの感情が 相手に伝わるように
相手に伝われば 何らかの反応があります 謝罪であったり言い訳だったっり
それで初めてあなたの怒りの感情が収まります 相手を赦し 受け入れることができるでしょう
罪を憎んで人を憎まず が 少しずつできるようになります
ことばがとどく 〜竹内レッスンから〜
竹内敏晴さんは自閉症児の治療教育の第一人者
「ことばが劈(ひら)かれるとき」「からだとことばのレッスン」などたくさんの著書があります
ここから「ことばがとどく」というワークを取り上げます
■ことばがとどく レッスン
部屋の一方に送り手が立ちます
受け手は反対の壁に壁に向かって立ちます 目を閉じてもOK
両方が見渡せる側に観察者が立ちます
送り手は受け手の名前を呼ばずに 「ねえ」「あのさぁ」「おい」などの代名詞で 受け手の一人に向けて言葉を送ります
受け手は「自分に言葉が届いた」届いたと感じたら その場で振り向いて送り手に確認します
当たっていたら立場を交代して続けます
受けてを代えながら 送り手は言葉を送ります
観察者は送り手の言葉がどんな形 どんな速さ 勢い どんな色で どっちに向かって… などを言います
交代しながら一巡します
全員が3つの立場 送り手 受け手 観察者をすべて体験します
言葉の交流が苦手なACには とてもいいレッスンです
言葉がとどく がどんなことなのか 体感できると 会話の大切さ コミュニケーションの大切さが理解できます
機会があればぜひ試してみてもらいたいレッスンです
「傾聴」で相手の感情を聴こう
感情を言葉にする
ACが学んでこなかったことでした
感情を言葉にしてはいけない と自分を規制してきたのです
実際にどうすればいいのか 分からないままです
この課題は逆に自分が相手の感情を聴く ということでトレーニングできると思います
相手と向き合います この場合の相手は健全な人にします
同類のACではトレーニングになりません
相手の話を 集中して聴きます
話してもらいにくいようなら 「最近ちょっと困ったこと」などお題を決めて
リラックスして そして集中して 相手の目を見て 表情やしぐさを見て 相手の話を聴きます
感情を言葉にする という実例を聴きましょう
その中に気分 感情の言葉を探します 喜怒哀楽の言葉です
相手の感情に気づいたら うなずいたり相づちを打ったりして 相手にサインを送ることも大切です
貴方の言葉は私に届きましたよ というサインです
なたがその言葉を復唱(繰り返し)してあげます
相手が「楽しかったよ」と言ったら「そう?… 楽しかったんだ?」と
相手の感情の言葉に反応して 繰り返すのです
「それはよかったね』の言葉も添えると 相手は「自分の気持ちを分かってもらえた」安心感を得るでしょう
これらの言葉は あなたが相手の感情を受け止めたというサインです
傾聴とは 相手の感情を聴くことです
ことがらや出来事を聴くのではありません
この過程であなたは驚くでしょう
今までの自分の話は 事柄の羅列だった!だから相手の共感もなかったんだ!
人って自分の感情を言葉にしていいんだ!
それを相手に受け止めてもらえた時って こんなに嬉しいんだ!
感情を理解しあえる 共有できるって こんなに素敵なことなんだ! と
今度はあなたが受け止めてもらう番です
これを繰り返してやっていきます
健全な人どうしの会話では この交流が普通に行われています
子供の頃 周りの子の会話に入れなかったのは
この感情の交流 共有ができなかったからだと気づくでしょう
原家族ではできなかった感情の交流
それが赤の他人との間でもできるようになれるのです
こんなことで 人は幸せを感じられるものです
生きていく という生命力
個の意識 自我の弱さが現れるのでしょうか
ACに希薄なのが 現実を見据えて自分がどう生きて行くか という生命力
何か儚さや弱さを感じさせます
それ自体は悪いことではないのですが 見ていて「この人大丈夫かしら」と思わせます
何かに 誰かに支えてもらっていないと倒れてしまいそうな そんな危うさです
これが魅力でもあり 放っておけない 何とかしてあげたい と周りを動かします
コミュニケーションの不全から 社会に出てもなかなかうまくいかず
仕事を転々としたり ニートや引きこもりになったり
失敗が続くと 意欲はだんだんなくなります
元々は機能不全家族の修羅場の中を生き抜いてきたサバイバーです
したたかな生命力は持ち合わせているのです ちょっとやそっとでは負けません
ただ残念なことは サバイバルは極度の緊張感の中で 本能的に行われたことなので
生きて行く上での基本的な安心感がないのです
安心して自分を丸ごと受け止め 受け入れ(いいところも悪いところも全て)
その上で「生きる」ができればいいのです
誰にも依存しない でも必要な時には助けを求める
他者との距離を適正に保つ でも甘えたい時 寂しい時にはもたれかかる
自分は一人である 孤独を受け入れる 誰もがそうであるのと同じように
そして自分のやりたいことに関しては諦めない
明るく前向きでいる ネガティブにならない 明るく笑顔でいる この自己コントロールは必須でしょう
そして 自分は自分の人生の時間を生きる ができればいいと思います
もうひとつ
何かトラブルに出会った時に 絶望しないように 孤立しないように
あらかじめ想定して 対処法を考えておくといいですね
万が一こんなことになったらこうしよう
方法は多いほどいいのです 一つだけではなく いくつも考えておきます
これも安心感を持って生きるための方法です
自分の道を自分で作ろう
人生設計 とか 目的意識を持って生きる とか
ACにはそれがどんなことなのか 分かりませんでした
家族のメンバーがそうだったからです
刹那的ともいえる人生の時間の過ごし方を見て それを学んできたのです
自分がどうなりたいのか たった一度の人生の時間の中で何がしたいのか
多分 家族のメンバーとそんな話などしたこともなかったでしょう
親の口から出るのは不満や愚痴ばかり 信用できるのはお金しかない
人生のささやかな幸せや 人との触れ合いを楽しむことなどなかったのです
自分はどう生きるか どうするか という「自」の感覚
限られた時間をどう過ごすか という「時間」の感覚
そんなものを学んできませんでした
親からもらえなかったものを手に入れるのは とても大変なことです
周りの他人から学ぶしか 方法はないようです
信頼できる相手を探すだけでもひと苦労ですし
そんな中から学びの師を見つけるのもなかなか大変
それでも周りの人を眺めて いいなと思う人をウオッチングです
眺めているといろんなことに気づきます
その人の話し方 表情 人との向き合い方
得るものはあります それを真似るのです
学ぶ とは 真似る から来ているといわれます
ここで親から学んだ悪しき嗜癖を捨てましょう
そして肝心の自分
自分には何ができるか 自分をどうしたいのか
まずは感じて そして考えてみましょう
なりたい自分 それを具体的にします
宮沢賢治の「雨ニモマケズ」にあるように具体的に
どうでしょう?
なりたい自分が 少しは見えてきましたか?
生き直しのために ⑭ この厄介な嗜癖と向き合う
ACという嗜癖
この厄介な嗜癖を 一番持て余しているのは 誰でもない自分
いつまでこの不全感の中に身を置けばいいのか
いつになったら不全感のない自分になれるのか
出口が見つからず 絶望的になることもあります
長い間の癖は そう簡単に治るものではありません
治っても過去の記憶は消せる訳でもなく いつでも蘇りますす
すべてを自分で引き受けて それでも生き直す覚悟は必要です
もちろんそのままで 生き直しの選択をしないという方法もあります
自分と親 あるいは自分の家族だけで共依存の関係を続ける人はたくさんいます
周りに迷惑をかけなければ もちろんそれでもOKです
そのままで生きるか 生き直すか 選択は自由です
必要最小限の癒しと 認知の歪みを治した上で
コミュニケーションのトレーニングをした上で
自分の嗜癖と指向性を自覚してコントロールできれば
創造的で個性的で先進的なものを創り出す能力を持っています
オリジナリティと芸術性を持っているのです
芸術家的 職人的な豊かな才能です
自分の適性を知って 自分のやりたいことに向かうことです
自分をサポートしてくれる人を大切にして
八方美人になる必要はありませんが 決して敵を作らないことです
自分の力を過信しないことです ACはこれが得意ですから
人に生かされていることを分かることです
ネガティブ思考のままでは 時間だけが無駄に過ぎ去ります
ポジティブな部分に自分で光を当てて
明るく生きることが何よりです
生き直しのために ⑬ 外の世界と自分の位置
ACの対人関係の状態 といってもそれは普通に充実したものではありませんが
自分と他人の関係 お互いの位置 方向を見てみると これからのヒントが見えて来ます
自分を中心に 3Dの世界をイメージしてみましょう
プラネタリウムの 天空の中心に自分を置きます
そして自分と関わる他人の位置関係を 一人ひとりイメージします
親しい友人は どこに位置しているでしょうか 自分の目の前に? 少し離れて? 自分を向いてくれているでしょうか?
一番の存在である親は? 自分と同じ位置に? 自分の前に立ち塞がって? 自分の視界を遮っているでしょうか?
そうだとしたら 親に自分の場を明け渡してもらわなければなりません 自分がそこを譲ってはいけないのです
自分の世界の中心に自分を置くことが大切です 自分の世界では自分が主人公です
全く同様に 他者の人生の主人公はその人本人です 他人の人生は自分のものではありません
このことがイメージでき 理解できれば 自他の境界をはっきりさせることもできるでしょう
私と貴方とは違うのだ 私は貴方を尊重し 貴方は私を尊重する
私は貴方を愛するけれど 独占したり私物化はしない が分かるでしょう
ACは他者との対等・平等の関係が作れません
無意識のうちに 相手の下に入り込むところがあります
相手が普通に 対等に向き合おうとしても 自分の側からそうしようとします
自分に自信がなかったり コンプレックスがあったり 過剰に自分を卑下したり
という自分の側での問題があるのだと思います
これをやめるには やはり健全な自己愛を育てることです
自分で自分を愛する代わりを 他人に求めないことです 他人の評価で生きることをやめるのです
生き直しのために ⑫ 外の世界と関わる前に
自身の内側の世界が片付かないACです
癒されない過去の感情
自分を愛せない不全感
他者に依存してしまう嗜癖
他者の評価で傷つく自尊心
認知の不全 コミュニケーションの不全
などなど
ACは 外の世界で生きていく前に こんな自分の内側を片付けることが先決です
全部をクリアして とはいかないまでも ある程度の整理が必要です
これが片付かないままだと 外の世界で苦労することになります
◼︎ ACの自覚はないが 生き辛さを抱える人
他人とコミュニケーションが上手くとれない と悩んでいる人
これらの不全感に蓋をして それを抑え込んで 無理やり社会で生きている人はたくさんいます
◼︎ ACであることで自己嫌悪が過剰な人
不全感を自覚できて 自分のACぶりに 自分を責めてしまう人
自分はどこかおかしいんじゃないか 病気なんじゃないかと思い込む人
過剰なまでに対人恐怖になることもあります
コンプレックスや自己嫌悪が過剰になる場合も 対等な人間関係が築けなくなることもあります
◼︎ ACの自覚がなく「健全だ」と思い込んでいる人
自分の生育環境に何一つ疑問を持たずに 自分は健全だと思い込んで生きて来た人たちもたくさんいます
不全な自覚がないので他者とのコミュニケーションも不全なまま 自他の境界もない
感情の交流もできない 他人に向けてキレるのです
周りに毒を振りまき 知らないうちに孤立します
(実はワタシ自身も かつてはこのグループに入っていました)
自分の状態を客観的に見て 分析することも大切です
生き直しのために ⑪ 〜になりたい でも変われない
〜ねばならない 〜あるべき では人は変わらないことを書きました
これらの言葉の前には (本当はなりたくないけど したくはないけど)が付きます
この言い方をする時に 私たちは「〜だけど 〜ねばならない」と言っている訳です
嫌だけど と言葉の前にある限りは 変わりません
〜したい 〜なりたい 〜変わりたいになった時に 人は変わります
気持ちや意欲が前向きになって 本当に自分の内側から出てくる時に 初めて変わります
AC共依存から離れる時に その出口は見えていても
「あと一歩」が出ないために 踏み出せないことはよくあります
そんなときは自分の本音に聞いてみるのです
本当にそうなりたいの? と 本当はなりたくないんじゃないの? と
本当になりたいのなら いつの間にか変わります なりたい自分になります
そうでもない時にはそのままです 変わることはありません
でもそれでいいのです
変われない自分を責めてはいけません 焦ってはいけません そんな人はもっと時間が必要なのです
長い間に受けた傷や 考え方の癖は そう簡単には直せません 変われなくても仕方がないのです
変わろうとしない自分 変われない自分を感じるだけでOKです それ以上の感情の上乗せは必要ありません
ACの場合は 一番近くに親がいて 子の時間と自由を奪い取っていますが
それも時間が過ぎて親が亡くなれば 必ず自律・自立します
ですからそんなに急ぐことはないのです
ただ それには膨大な時間がかかるでしょう
なるべく早いうちに自律・自立が果たせれば その方がいいのです
自分の人生の時間を無駄にせず本当の自分を生きることができるのですから