自身の内側の世界が片付かないACです
癒されない過去の感情
自分を愛せない不全感
他者に依存してしまう嗜癖
他者の評価で傷つく自尊心
認知の不全 コミュニケーションの不全
などなど
ACは 外の世界で生きていく前に こんな自分の内側を片付けることが先決です
全部をクリアして とはいかないまでも ある程度の整理が必要です
これが片付かないままだと 外の世界で苦労することになります
◼︎ ACの自覚はないが 生き辛さを抱える人
他人とコミュニケーションが上手くとれない と悩んでいる人
これらの不全感に蓋をして それを抑え込んで 無理やり社会で生きている人はたくさんいます
◼︎ ACであることで自己嫌悪が過剰な人
不全感を自覚できて 自分のACぶりに 自分を責めてしまう人
自分はどこかおかしいんじゃないか 病気なんじゃないかと思い込む人
過剰なまでに対人恐怖になることもあります
コンプレックスや自己嫌悪が過剰になる場合も 対等な人間関係が築けなくなることもあります
◼︎ ACの自覚がなく「健全だ」と思い込んでいる人
自分の生育環境に何一つ疑問を持たずに 自分は健全だと思い込んで生きて来た人たちもたくさんいます
不全な自覚がないので他者とのコミュニケーションも不全なまま 自他の境界もない
感情の交流もできない 他人に向けてキレるのです
周りに毒を振りまき 知らないうちに孤立します
(実はワタシ自身も かつてはこのグループに入っていました)
自分の状態を客観的に見て 分析することも大切です
カテゴリー: メンタルヘルス
生き直しのために ⑪ 〜になりたい でも変われない
〜ねばならない 〜あるべき では人は変わらないことを書きました
これらの言葉の前には (本当はなりたくないけど したくはないけど)が付きます
この言い方をする時に 私たちは「〜だけど 〜ねばならない」と言っている訳です
嫌だけど と言葉の前にある限りは 変わりません
〜したい 〜なりたい 〜変わりたいになった時に 人は変わります
気持ちや意欲が前向きになって 本当に自分の内側から出てくる時に 初めて変わります
AC共依存から離れる時に その出口は見えていても
「あと一歩」が出ないために 踏み出せないことはよくあります
そんなときは自分の本音に聞いてみるのです
本当にそうなりたいの? と 本当はなりたくないんじゃないの? と
本当になりたいのなら いつの間にか変わります なりたい自分になります
そうでもない時にはそのままです 変わることはありません
でもそれでいいのです
変われない自分を責めてはいけません 焦ってはいけません そんな人はもっと時間が必要なのです
長い間に受けた傷や 考え方の癖は そう簡単には直せません 変われなくても仕方がないのです
変わろうとしない自分 変われない自分を感じるだけでOKです それ以上の感情の上乗せは必要ありません
ACの場合は 一番近くに親がいて 子の時間と自由を奪い取っていますが
それも時間が過ぎて親が亡くなれば 必ず自律・自立します
ですからそんなに急ぐことはないのです
ただ それには膨大な時間がかかるでしょう
なるべく早いうちに自律・自立が果たせれば その方がいいのです
自分の人生の時間を無駄にせず本当の自分を生きることができるのですから
生き直しのために ⑩ 本当の自分と向き合う
ACはいつも 本当の自分と向き合うことが苦手なようです
〜でなければならない 〜であるべき 〜のはず という自己規制が多いのでしょう
AC共依存を手放す時にも 前提にこの〜でなければ があるために ハードルが上がってしまいます
早く依存をやめなければ 早くACをやめなければ と焦ってしまいます
焦る気持ちは分かるのですが 逆効果になります
まず感情を掴む
焦らずに まず自分の本当の感情と向き合う 行動にするのはもっとずっと後です
「何を感じてる?」「どんな感じ?」を自分に問いかけます
ここでつい自分の感情に嘘をついてみたくなりますが これはやめましょう
本当の本音を感じます
次に欲求を掴む
感情に気づいたら そこから立ち現れる欲求に気づきます
〜したい 〜なりたいが分かります
そして思考する
この部分はACは得意かもしれません
感情と欲求を掴んで ここで初めて思考の出番です
考える作業がここから始まります
欲求を叶えるためにはどうしたらいいか どんな道順で進むか
とはいえ長い間の癖で 幼児性が残っています
子どもっぽい思考を捨てます 大人の思考に変える作業も大切
思い込みも捨てます 被害者意識も捨てます
余分な感情を差し挟まない 上乗せしない事が肝心です
生き直しのために ⑨ すべては自己肯定 自己受容から
機能不全家族に生まれたことは運が悪かったのだ
と 諦めようとしても そう簡単に諦められるものではありません
ACの内側には 親への恨み悲しみがたくさん残っていますから
できるものならあの頃に戻って 全てをやり直したいと思っています
でも「過去と他人は変えられない」自分の過去と 親である他人は変えられないのです
やり直しのできないものに未練を残しても 自分が苦しくなるだけでしょう
本当に悔しいことですが 終わったことを終わったこととして手放すしかありません
これからは自分の今と未来を向いて行きて行く覚悟をします
全てを自分で引き受けて 生きて行く覚悟です
だからといって強い悲壮感はいりません
緊張のあまり体が強張って 視界が狭くなると危険です
リラックスと集中 周りを広く見渡す視界の広さがあればいいのです
今までは自分のことが嫌いでした
たくさんの劣等感や自己否定感を持っていました
それを全て捨てます 不要であり邪魔なものです
今までの認知〜物事の受け止め方 感じ方〜を 180度変えるのです
自己否定を自己肯定へ 自己嫌悪から自己受容へ
健全な自己愛を持って それを大きく育てます
いいところも悪いところも ぜんぶ含めて自分を好きになる
好きなところも嫌いなところもぜんぶ含めて自分を好きになる
自分への愛さえも条件付きでした
〜できたらOK 〜できない自分はNG と
これをすべて捨てるのです
無条件で自分を愛することから始めます
生き直しのために ⑧ 不幸せをやめる
ACの悲しさ
周りの世界には楽しさや喜び 幸せが溢れているのに
その中から悲しみ 苦しみをわざわざ選び出して拾い集めます
まるで不幸せの中にいる事で 傷を癒すかのようにしています
ACの心象風景は 視界のすべてが灰色です 冷たい風が吹いています 光は射しません
周りには命の息吹も感じません 何もかもが冷たく 沈んでいます
生まれて来てくれてありがとう 育ってくれてありがとう など親の祝福がなかった悲しみ
幼児期のトラウマや愛情欲求の不満は こんなにまで後の人生に影響を与えるのです
基本的な幸せ感 生きる喜びがないので その中で起こる楽しい出来事も 花火のようです
その瞬間は明るく煌めきますが すぐに元の暗闇に戻るのです
こんな人生と別れるために 今の不幸せ感を捨てます
幸せになってはいけない という禁止令を手放します
この禁止令は根深く無意識に残っていますから 何度も何度も 自分の無意識に働きかけるのです
自分は幸せになるために生まれて来たのだ
自分はこの世で幸せになっていいのだ なれるのだという自覚から始めます
変わりたくない自分がいることに気づいたでしょうか?
このまま 不幸なままで 悲劇の主人公でいたい自分 誰かに甘えたい自分
それを認めて 受け入れて そんな自分も含めて 幸せになるのです
自分の中にある「変わりたくない」との闘いです
生き直しのために ⑦ 見捨てられ不安 すがりつきをやめる
回復への途上で気をつけることがいくつかあります
長い間の癖になっているものをやめる必要があります
見捨てられ不安をやめること
自我の感覚がないために 自立 自律ができていません
十分な愛情を受けて成長していませんから 不安と不満があります
歓迎されて育つ 安心して大人になるという過程が抜け落ちています
大人になるということに無意識に抵抗しているのは そんな不満 不安からです
親の言う通りにしないと見捨てられる という不安は なかなか解消できるものではありませんが
親の支配から離れて自分の人生を生きると 自分で決めるしかありません
親に限らず誰からの支配もコントロールも受けないと 自分が決めるのです
無意識に他者の下に入り込むことをやめるのです
他者と対等の関係を持つと自覚すること
すがりつきをやめること
ACは同じ理由から 見捨てられたくないために 他者にすがりつきます
迷子になった小さい子どもが 親の足にしがみつくのと同じです
自分を守って 庇って 受け入れてくれる他者がいないと 不安と恐怖でいっぱいになります
自分の足で立って歩いて行ける という自信を持つことが必要です
人は誰でも一人であるという当たり前のことを 普通に受け入れることです
寂しさ 不安 今まで嫌っていたものを受け入れるのです
孤独を受け入れることがきれば 人の有難さ 優しさを感じることができます
自分で決める という意思を持つ
身も心も大人として自律・自立して生きるための階段です
生き直しのために ⑥ 言葉をコミュニケーションのために使う
感情を言葉にし 他者との距離が分かったら
次は他者とのコミュニケーションです
コミュニケーションとは事柄や情報のやり取りですが
それ以上にお互いの感情のやり取りという大きな役目があります
そしてそれはすべて言葉を介して行われます
ACはこれがとても苦手でしたね
自分の感情が分からない だから感情を言葉にできない
他者の感情が分からない だから他者との交流ができないのでした
そして ACは時として 言葉を武器にします
そんな自分を守るために 相手を言葉で攻撃します
言葉を武器にするのです とても強力な武器になります
感情を言葉にできない代わりに 感情的になる キレるのです
武器を持っている限り 他者とのコミュニケーションはできません
コミュニケーションは相互交流 一方的な交流ではありません
自分の言葉を伝えると共に 相手の感情を聴くことも求められます
自分の感情を言葉にすることと同じくらい大切なことです
自分の感情を差し挟まず 自分の思い込みを差し挟まず
相手のありのままの感情を聴くのです
相手の言葉を 感情を聴く それに応える言葉を伝える
傾聴のトレーニングは欠かせません
生き直しのために⑤ 過去と他人は変えられない
過去と他人は変えられない
これも心理学 カウンセリングの場でよく登場する言葉です
過去
ACにはとても辛い過去があります
それは主に母親への愛着です
して欲しくてしてもらえなかったこと 言って欲しくて言ってもらえなかったこと
言いたくて言えなかったこと
それらが叶えられないまま 過去に置き去りにされています
インナーチャイルドもそこで止まっています 大人になれないままです
過去を終わったこととして 受け入れましょう
あの頃に戻って やり直すことはできません
過去は変えられません
他人
親からの支配とコントロールで育ったACですから
他人も支配コントロールできると思い込んでいますが
家族のメンバーや親戚ならいざ知らず 赤の他人を変えられるでしょうか
実際はそんなことは不可能です
同じようにAC自身も他人には変えられません
人は外からの力では変わらない 変えられないのです
自分の内側の力で 初めて変わることができます
本当に変わりたいと覚悟して 変わることができます
このことが分かると 今まで抱え込んでいたものが手放せます
生き直しのために④ 答えはすべて 自分の中に
答えはすべて 自分の中に
心理学 カウンセリングの世界ではよく出てくる言葉です
自分の外側にいくら答えを探しても どこにもありません
自分の中に 答えはあります
自分と向き合う 自分を外から見つめる 客観視することが大切です
ACが持っている 認知〜感じ方・考え方〜の歪み を自覚しましょう
自由奔放な表現を抑えてしまう
人に言われたことをそのまま受け止められない 受け入れられない
人の言うことを聞かない アドバイスされてもやってみようとしない
誰かが何とかしてくれると思っている
自分の人生なのに他人事のよう
などなど
自分の生き辛さを感じましょう それを言葉にしましょう あるいは文字にしましょう
そしてしっかりそれを受け入れましょう
自分の嗜癖を自覚して それをどうするのか 覚悟ができるまで感じましょう 考えましょう
時間はかかるかもしれません なかなか覚悟が決まらないかもしれません
慌てず 無理せず でも 途中でやめないで 諦めないで
ある時ふっと 吹っ切れます
大切に抱え込んで来たこだわりが 自分の中から出て行く感覚です
変わらなきゃ という強迫的なプレッシャーではなく
確かに今のままじゃ本当にどうしようもないのだと 腑に落ちるのです
今までの思い込みから解放されて 自由になる瞬間です
生き直しのために③ 親への愛着を手放す
ACにとって最も厄介な課題です
一番大好きなのに大嫌いな
一番愛しているのに一番憎い
一番愛して欲しいのに愛してくれない
心を掻き乱す存在
幼児期から 父母の危うい関係を
さまざまな暴力と依存と支配を見てきています
本能的に家族のメンバーの調和を図ろうと右往左往してきました
それは自分の命を守るためでした
大人になった今でも その嗜癖は続いています
それを手放すためには まず親への愛着を手放すことです
親との間で自他の境界がなかったのです
私は私 あなたはあなた をはっきりさせて
お互いに介入しない 介入されないようにします
親が介入しようとしたら はっきりNoと言いましょう
きっと介入されたい自分を感じることでしょう
そんな自分との闘いです
自分のことは自分で決める 自分の人生は自分だけのもの
親と同居していても 離れて暮らしていても 結婚して自立しているように見えても
親への愛着が残っていれば 何かあれば親の元へ戻ってしまいますが
ACの親は 子がいくら望んでも その愛着に応えてくれることはありません
この悲しみを乗り越えることができるでしょうか?